デミゴッド

第1話

俺達は怪奇系YouTuber集団『デミゴッド』だ。

メンバーは。

『正雄（まさお）』…普段は鳶をやってるが、個人でも怪奇系YouTuberをやってる。

年齢不明だが、20代らしい。

身長185cmくらいのマッチョ。

いざという時に頼りになる奴だ。

『手斧（ておの）』…名前こそ奇矯だが、普通の男子高校生だ。

主な役割は動画編集と企画の立案。

俺とは中学からの同級生で、幼馴染みだ。

身長160cmくらいのガリガリ体型。

髪は全体的に長めで、中性的だ。

『Abare（アバレ）』…20代の元不良。

非合法活動全般担当だ。

身長185cmくらいのイケメン。

俺と同じで髪は長め。

喧嘩は強いが、最近はやってないらしい。

『謎留（なぞとめ）』……本名不明の謎多き人物だ。

元軍人だが、今はデミゴッドに所属している。

年齢30代半ばくらい？ 背が高くてモデル体型だ。

金髪碧眼の色男。肌は褐色。

身長は170cmちょいくらいか……？

そして俺こと『ダイカタナ』。

『手斧』をこのYouTuberグループに引き込んだ張本人だ。

それにしても、普通YouTuberグループって同年代で固まるものじゃないのか？

年齢も属性もバラバラだぞ…とはいえ沖縄の『ハイサイ探偵団』の様な年齢差を考慮しないグループもいるので、特段不思議ではないのだが。

今日は定例のZoom会議の日だ。今回は俺が発起人となって企画会議を行う。

議題はズバリ、幽霊退治だ。

デミゴッドは怪奇系YouTuber集団として有名だが、これまで心霊現象を解決したことは一度もない。

理由は様々あるが、最たるものはメンバーのオカルトへの理解度の低さにあるだろう。皆超常現象の何たるかを理解していないから、リアリティのある動画にならないのだ。というかぶっちゃけ俺達が素人である以上、リアルな恐怖映像なんて撮れるわけがない。

なので、今回は皆のオカルトに対する理解度を上げるための企画である。

ということで、幽霊を退治して動画にすれば良いのではないか？ と俺は考えたのだ。

しかしこの手の企画は今まで一度もやったことがないから、どんな内容にするかは結構悩ましいものがある。できれば動画にしやすいテーマが望ましいのだが……。

手斧：幽霊退治かあ、いいんじゃないか？

正雄：賛成。俺そういうの結構好きかも！

謎留：確かに面白そうだ。だが、どうやって幽霊を退治するんだ？

謎留の質問はもっともだ。普通、心霊現象で霊感がない人間が霊に対抗するのは難しい。しかし俺達には、それを可能にする物がある。

Abareの存在だ。

Abare︰俺んちの近くに結構な地縛霊がいる建物があるんだが、そこで撮影をしたら良いんじゃないか？ 地権者は撮影日前に山奥に捨ててくるから大丈夫っしょ。

手斧：それ良いな。じゃあ俺、地縛霊の資料をネットで探すよ。

正雄：それじゃあ俺は……カメラや音声機材なんかを用意するぜ！

謎留：私は何をすれば良い？

ダイカタナ︰謎留クンはいつも通り見張りを頼めるかい？

謎留：分かった。それでは、早速準備に取り掛かろう。

その後、各自役割分担が決定し、会議は終了した。

翌日、俺達5人は撮影準備に取り掛かった。