第11話 「配信者カップ Second and Third Round」

2試合目−−−Second Round


「ごめん……!後ろ!」  

「後ろは無理っす!」

「すいません!レイサー100カットです!」


2試合目の序盤。綾川さんが後ろを取られダウン。あおいさんも相手の1人を削る事はできたがダウン。残っているのはサトウさんのみになった。


「あー無理っす!」


3対1、当然勝てるはずもなく。Second Roundは19位という順位で終えた。ポイントはマイナス15。総合ポイントは101ポイントとなった。


「ごめん…ファーストダウン」

「しゃーないっす。切り替えていきましょう」


幸いにも、Second Roundはlaughショウチームもaliaチームも順位キル共に振るわなかった。laughチームはなんとか2位と同率となった。


「Second Round!1位はspearスピアチームだ!」


First Roundでは順位・キル共に振るわなかったspearスピアチームが1位を獲得。キルポイントは上限の6。総合ポイントは116ポイントとなった。


Second Round終了時の順位


1位 −−− チーム  129ポイント

2位 spearチーム  116ポイント

3位 laughチーム  116ポイント  

4位 −−− チーム  115ポイント


「結構順位が入れ替わりましたね!」

「ええ、3試合目が楽しみですね。他のチームもまだまだ優勝するチャンスがあります」


3試合目−−−Third Round 中盤、残り部隊数−−−11部隊


「すいません!やられました!」

「こっち1人やった!…ちょっと回復する!」 「ナイスっす!任せてください!」


ハンブラーのアルティメットを使い、相手のスキルを封じる。おそらく、相手はスキルを使おうとしたのだろう。急にスキルが使えなくなった相手は、動きが一瞬止まった。その隙をつき一気に体力を減らしダウンさせる。


「あと1人……!」

「あいかさん!そっち行ってます!」

「オッケ!ウルト使う!」


レイサーのアルティメットが相手に引っ付き、爆発。最後の1人だったためダウンせず、そのままデスボックスになる。これで部隊数が11から10へ。キルしてなくても順位ポイントが入る順位になった。


「今起こすっすね」

「ありがとうございます」 なんとか相手部隊を壊滅させる事ができた。ここからは順位をどこまで伸ばせるか。 終盤、残り8部隊。


「撃たれてる!」

「この場所いるのはキツいっすね」

「移動できる所ありますか?」

「あるっちゃあるっすけど……行くの大変っすね」

「じゃ、あそこはどう?」


綾川さんがピンを指したのは誰かがいるかもしれない倉庫。


「あそこっすか?行ったらまずくないっすか?」 「でも他の所いけるの?」

「……賭けっすよ?」

「ここにいたら駄目でしょ?」

「そこまで言うなら行きましょう!」

「よし!行こう!」

「やっぱいるっすね」

「だよねー」  


案の定敵はいた。


「私のウルトで扉壊して強行突破でいきます?」

「あーありっすね」

「じゃ、やりますよ」


ジャンキラーのアルティメットは扉を破壊する事ができる。また、扉の近くにいる人にはダメージ与える事もできる。


「……1人に50ダメ!」

「中、入って!」

「1人やった!」


貫通ダメージが入った敵を綾川さんがすばやく倒す。


「左の小部屋に籠もられた…」

「人数有利っすから、待ちましょう」

「毒ガスのせいで結構面倒くさいですね」


扉に毒ガスを置かれているため開ける事ができない。一旦は休戦状態だ。


「……ッ!ウルト投げてきた!」

「1回後ろに!」

「相手出てきました!」


毒ガスおじさんことコーカスはパッシブで自分と相手の毒ガスはダメージが無効となる。要するに、毒ガスが蔓延している部屋でも自由に動ける。


「うぉっ!まじか……」

「サトウさん!?」


「サトケン!?」


毒ガスはダメージの他にスロウ効果がある。1番後ろにいたサトウさんが逃げ遅れて倒されてしまった。これで2対2の状況。


「ここで、絶対倒す!」


ここで逃げても次に行く場所ポジションは残されていない。ならば、ここで倒して生き残る。


「一旦、外出て!」

「分かりました!」



部屋の中には未だ毒ガスが残っている。今、中に戻ってもスロウ効果で足が遅くなり、すぐに倒されるだろう。ならば−−−


「グレ投げ込みます!」


あおいさんの得意なグレネードで部屋を荒らしてもらおう。所持しているグレネードは4個。乱雑に使えば1つも当たらずに負ける。


−−−部屋の中のガスが消えた瞬間、彼女達は行動を開始した。


「1つ入れました!」


既に扉はガス缶で開けられないようになっているが、グレネードなら扉を破壊する事ができる。

 

「ガス撃ってください!」

「オッケー!」


綾川さんがガス缶を撃ち、ガス缶は黄色い煙を吹き出しながら少しづつ小さくなっていく。そして黄色い煙が吹き出した瞬間もう1つグレネードを投げる。


「ちょっとダメ入りました!回復させるぐらいです!」

「じゃあ、突撃だ!」


2人は部屋の中に突撃した。


「あっぶなかった〜」

「勝てて良かったです」


あおいさんのグレネードの活用。綾川さんのキャラコン。2つが上手く噛み合い、なんとか倒すことができた。


「2人共ナイスです!こっからは順位伸ばしましょう」


そのままキルをすることなく、


Third Roundの順位は4位となった。キルポイントは最大8のところ、6取れた。合計ポイントは117点。


「1位はaliaチームです!キルポイント最大での1位!これで合計ポイントが133ポイント!」  「素晴らしい戦い振りでしたね。リーダーのaliaが的確に指示を出し見事そのオーダーが噛み合いました」


Third Round終了時の順位


1位 aliaチーム  133ポイント

2位 laughチーム  130ポイント

3位 −−−チーム  125ポイント

4位 −−−チーム  118ポイント


「次のラウンドはSOLO Roundです!」


「次はソロ……サトウさん頼みました」 

「サトケン頑張って!」

「頑張ってくるけどその前にトイレ行ってきます」

「トイレ休憩は大切だからしょうがないですね」




「ボクがここで勝てないと負けか……」


ソロマッチは今まで何回かやってきてはいる。だが、今回は相手のレベルが大分高い。ここで負けたら優勝は遠のく。チームメンバーの2人は頑張ってくれている。自分が1番動けていないかもしれない。だからこそソロで勝つ。



いや−−−



「絶対勝つ」



そう、彼は決意した。

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