第66話 地上の惨劇

あとがきにて、GW最後の御願いさせて頂きます。


――前書き―――






――人類よ、絶望せよ! 大いなる戦の裏で小細工を弄したようだが、それは全て失敗だ!! 人類最強の勇者、ボーギャックは魔界の勇敢なる英雄たちの手によって、討ち取ったり!!!!


 魔界の危機が去ったころ、地上にて行われていた大規模な戦でも魔王軍がほぼ人類の連合軍相手に勝利を手中に収めていた。

 もともと、地上を囮にして、人類連合軍最強のボーギャックたちを魔界に送り、大魔王を討ち取るという作戦だった。

 そのため、地上の戦争では大幅な戦力ダウンを覚悟して臨んだ大いなる賭けであった。

 しかし、人類は賭けに負けた。


「そ、そんな……う、うそだ、うそだ、うそだぁああああ!!」

「ボーギャック大将軍が……う、うそだ、あ、ありえない、うそだぁ!」

「信じられるものか、八勇将最強、人類史最強の勇者であるボーギャック様が!」


 地上の大陸全土に伝わるように、空に姿を投影する魔法。

 地上の世界各地の空に、魔王軍最強にして六煉獄将のキハクの声と共に、ボーギャックの『生首』が映し出された。


「あ、あああ、ああああああああああああああ!!」

「ボーギャック様……そ、そんなぁ……」

「終わりだ……も、もう、人類は……あ、ああああああ!」


 遺体の弄びや晒上げることは、返って怒りの士気を高める場合もある。しかし、人類にとってあまりにも偉大過ぎるボーギャックの死は、それだけで民衆も兵士も貴族も王族も全てにとって絶望となった。



――さらに、同じ八勇将のシュウサイ、そしてギャンザも敗北した! 



 さらには、シュウサイとギャンザも同様であることも告げ、もはや地上には絶望しかなかった。



――すべてが裏目に出たな、人類よ。『特に帝国が中心』となって、偉大なる勇者テラを謀殺したところから、全て貴様らは終わっていたのだ! 



 極めつけは、ここにきてキハクの口からテラに関することまで付け加えた。


「え、い、いま、何を?」

「テラ? テラ様のことか?」

「帝国が中心となってテラ様を? どういうことだ?」


 もはや人類にとってこの戦は詰んでおり、今後のためにも一人でも犠牲者を減らすためにも、少しでも戦力を保つためにも、即座に退却と撤退が求められた。

 しかし、何万もの兵たちが絶望のショックと混乱ですぐに動けないでいた。

 そんな中で……



「ひははははは、捕虜は一人も殺すな。殺さず、目玉を繰り抜いて両手を斬り落として、各地に解き放て。いいな? 殺さずに生かして解き放て。伏兵忍ばせ、救助に来た奴らを狩り取れ」



 悪魔がこれでもかとご機嫌に笑っていた。


「あの、『カーニバル参謀長』……よろしいのでしょうか? 捕虜だけでも数千人にも……いっそのこと、首を刎ねた方が楽かと……」

「ひははは、バッカ~。殺したらそれで終わりでしょ~? だけど、生かしとけば、一度逃げたのに救出のために戻ってくるバカたちもいるでしょ? そこで、人望がありそうなの、有能そうなやつを中心に狩り取るのよ。仮に救出されたところで、両目両手を失ってもはや兵士として再起不能……奴らとしては足手まといを大勢抱えて、補償も含めて経済打撃! わお! 知ってたか? なまじ生きてる分、負傷している人間抱えてる方がコスト。いっそ死んだ方がコストカットなのよ」

「な、なるほど……し、しかし、両目両手を……ゴクリ……かなり時間がかかるかと……」

「いいさ、どーせ奴らは逃げ回ってるんだし~お前らオークで力づくで引き千切る……細かい目玉の抉りはゴブリンたちに……ショック死や出血多量で死なないように気を付けてね~♪ あと、捕虜を解放した地点を人間どもにちゃんとリークしてね♪」


 部下たちも顔を青くすることを平然と口にする。

 いま、カーニバルの居る作戦本部本陣には、彼が率いるオークとゴブリンの部隊長が集っていた。


「ひはははははは、いやぁ、サイッコーだねぇ! テラの弟のあの坊や……まーさーか、ボーギャックを殺せるとはねぇ。アレを殺せるのはキハクぐらいかと思ってたが……なーんか不運と幸運が重なったかねぇ? だが……歴史の転換期! これでもかと阿鼻叫喚祭りといこうじゃねえか!」


 その男こそ、六煉獄将の一人にして、魔王軍の大参謀でもある『カーニバル』だった。

 その残虐非道にして鬼畜、兵士の誇りも鼻で笑うような戦略は、人類にとっては恐怖の対象でもあり、魔王軍の中でも敬遠されがちな男である。


「そ、その……参謀長」

「ん~?」

「その、ほ、捕虜の中にもいる……民間人や……その、女騎士たちもでしょうか? 八勇将の一人である女将軍ユリリィが率いた女騎士数百名が……」


 カーニバルの部下たちが「女もか?」という問いには、決して「女にまで手をかけたくない」という騎士道精神からくるものではない。

 その証拠に、オークやゴブリンたちは何かを期待した眼差し。

 その気持ちを手に取る様に分かるカーニバルは、笑みを浮かべて……



「民間人に手ぇ出したら、クソ真面目なキハクの旦那が怒るし、民間人は色々と役に立ってもらうからダメだけど……女騎士たちは……仕事終わったら好きにしていいぞ♥ なんだったら、魔界に持って帰ってもいいぞ♪」


「「「「「はっ、ありがたき幸せ!!!!!」」」」」


「よっしゃー、やるぞォ、おめーら! 捕虜の手を頑張って千切るぞー! 終われば酒飲みながら、ヤッてヤッてヤリまくるぞー!」


「頑張って目玉くり抜くぜえ! ひひひひ、あの女騎士たち上玉ぞろいで、犯したくてたまんなかったんだー!」 



 顔を青くするような命令を出されたというのに、ご褒美が分かれば意気揚々とやる気を出して捕虜の元へと部下たちは駆けた。

 そして、


「ひっ、何だお前たち、大人しく投降したら殺さないと……」

「頼む、命だけは! 子供が家で待ってるんだ!」

「病気の家族が、お、俺の帰りを――――ぐぎゃあああああっ?!」

「ぐがあああ、う、腕がぁぁああああ!?」

「や、め、目ぇ、あ、ああああ、俺の目がァ!?」


 止むことない悲鳴と泣き声が響き渡った。


「ぐへへへへへ、安心しろ。死なせるなって命令だから、殺さねーよ」

「その代わり、最低限のものを奪うけどなァ!」

「早く終わらせようぜぇ!」

「はぁ、はァ、はァ、はァ、女騎士……が、我慢できねぇ!」


 それを嬉々としながらご褒美のために励む魔族たち。

 そこには、正義も大義も存在しない。



「ひははははは、テラの弟妹……ようこそ、魔王軍に。ひはははは、この光景をいつか知るがいい……君たちのおかげでこの光景は生み出されているということを!」



 それを心地よい音楽でも聴くかのようにしながら、身体でリズムを取りながら、カーニバルは空へ唄う。



「人間どもがクズで絶望した~? 復讐したい~? 人間は汚い~? ひははは、かわいいねえ~、純粋だね~、無垢だね~! 人間もね、魔族もね、蓋を開ければどっちもどっちだよぉ、ひははははははははッッッ!!!!」



 


 



――あとがき――

人間はアレだけど、魔族は良い奴らが多い? んなこたーない!!!!



そして、今日でゴールデンウィーク最後だよな……みな、明日からまた頑張れい!!!!


そして、ゴールデンウィーク最後の御願いということで、本作の『フォロワー登録』および『★★★』でご評価お願い致します。


GW期間中はフォロワーかき集め時期ということでウザイぐらいに宣伝しましたが、とりあえずこれで最後にしたいと思います。


つーわけで、最後にお願いしまあああああああす('◇')ゞ('◇')ゞ('◇')




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