第3話 現在の王国の隠し遺体

この王国の秘密にはおぞましきものがある。

氷の結晶体だ。

かつてのドラゴンの意識が流した涙の一部。蒼い結晶体が一部一部に微生物単位で現存しているらしい。

これが人間、もしくは他の有機生命体に触れると、、それを『結晶化生物』として生き物として生きていけなくなるらしい。

処理される。貴族院連盟によって隠される。だから今でもドラゴンの遺体には恐れ慄いているのだ、この王国たちは。


そんなトンチキな話をこのお茶会ではしていた。


塩っぽいようなもしくは飴のような塊らしい。全体的に白銀だ。

石膏像のように固まる生物たちをだんだんと増えてくるレガート王国。

夜な夜なドラゴンの鳴き声が聞こえたら家から出てはいけないぞ、。眼を覚ますまでには人間でいなくては!などと子供向けの話を“真剣に“するのだ。アダマンチュラ貴族院議長は。


しかしながら誰も彼女のことを笑う者はいない。彼女の話題になって初めて笑みを浮かべてニコニコしてるのだ。嫌われたらおしまいというより死人が出るかのように。恐れ慄いて。


まず第一に彼女の決断と愛情と無垢と色々含むものが王国の間では優先的にされるのだ。この王国には王族以上の決定権が彼女にはあった。それを彼女自身が何より知っているのでタチが悪い。始末に終えないと思うだろうが、彼女はちゃんと他人の表情から意思を汲み取れるし、恩情もある、戯言には気を向けないー、、。。貴族として生まれてからわずか6年で誇りを持って生きているのだ。


だからと言って、ことの結晶体が寒風となんらかの関係があるとは誰も聞いたところで頭に浮かぶことはなかった。聞いてはいるものの“真剣に“考えたことあるのは、この中のメンバーで偽装工作員を父として共に王国で暮らしているハーヴェストぐらいだろうか。リヨン兄妹はどうだろう?



俺は父と母をーーかつてのこの王国の勇者の遺体を見た。結晶体に氷漬けにされていた遺体だった


王国の宮殿地下室で両親を看取った。


しかしながら遺言が彼らの日記に書いてあった。

お前はひとりじゃないーーと。


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