俺だけ考えて
「後ろの電柱に、誰か隠れてない?」
恋人が小声で言った。
「何だか怖いよ」
「大丈夫、俺がいるよ」
本当に心配だ。夜はただでさえ、襲われる危険性があるのに。俺は電柱の影に視線を映した。本当の恋人が、睨んでいる。
浮気だと思ってるんだね、とても良い。そのまま怒って、俺だけを考えて。
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