ロック・ユア・ハート ～古城のプリンセスと巡る中世ヨーロッパの世界～

プロローグ

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昔々、群馬県高山村という山奥に、とあるお城が運ばれてきました。

お城の名前は「ロックハート城」。かつて英国スコットランドに実在していた本物のお城です。

「ロックハート城」は、当時のソビエト・ゴルバチョフ元書記長の承諾を得て、シベリア鉄道を経由し、海を越え、山を越え、群馬県高山村までやってきました。

運ばれてきたお城は、たくさんの人々の力を借りながら、立派に復元されました。

そしていまでは、群馬県の「恋人の聖地」として多くのカップルが訪れています。

そんなお城の大移動と一緒に、ひとりの女性の魂が運ばれてきました。

彼女の名前はプリンセス・ハート。スコットランド生まれの妙齢の女性です。

そんな彼女には、ある悩みがあります。

「はあぁ……。毎日、毎日、熱々のカップルを見るのはもううんざり。私だって恋がしたいのになぁ」

プリンセス・ハートは、まだ恋を知りません。楽しそうに手を繋いでいるカップルを見ていると、何だか惨めな気持ちになってきます。

今日もプリンセス・ハートは、ロックハート城の入り口で溜息をつきます。

「はあぁ……。どこかに素敵な人がいないかしら？」

プリンセス・ハートの声が貴方に届きました。振り返ると目が合います。

「あら、私の声が聞こえるの？　珍しいこともあるものね」

プリンセス・ハートと運命的な出会いを果たした貴方。

古城から始まる猟奇的な愛の物語が、いま幕を開ける――。