第32話 複雑怪奇!アメリカンスピリッツ



 あなたがもし平和を感じているのなら

 誰かを虐げている強者か

 その仲間か

 強者の関心の無いところにいるかのどれかです。


 トゥワ・ファーウスト受難の書 第四十六章 「地獄」より引用




 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆



 アメリカが攻撃されてる、アメリカの敵がいる!

 そう知らされた多民族国家アメリカの多くの民衆らはどうなるか……?





 ──脊髄反射というか、水を得た魚というか、筋肉でゴリゴリの暴力衝動が働いて、待ってました! とばかりに、身近にいるマイノリティー,(少数人種)に思いっきり爆発させるのだ。


 いつもと変わらぬ日常を送っている日本人の知らない間に

 アメリカ本土では日本がどこにあるかも知らないアホなアメリカ人達の

 大パニックが起きていた。


「アジア人が我々アメリカ人を狙っている」とか言い出して。

 そもそも日本人からしたら『アジア人ってナニ人のことやね~ん』って話なのだが。


 全身がバネのようなムキムキの筋肉で出来た肉体を持つ

 ビヨンビヨン跳ね回ってるアフリカ系アメリカ人、要するに黒人のギャングの兄ちゃんが、真っ昼間にただ街中を歩いていただけの、まったくぜんぜん1ミリも日本ともギャンダムとも関係のない、何の罪もない無防備な中国系の女性に、奴らから言わせれば『アジア人』に、いきなり後ろから全力の飛び蹴りをぶちかまし、コンクリート上に昏倒させて、被害者女性が痙攣して死にかけているのを見下ろし勝ち誇るという

 なんともむごたらしい事件がアメリカで頻発した。


 多くは女性が狙われた。

 子供でも老婆でも容赦なくやられた。むしろ老婆は狙い目だった。

 防犯カメラに残された映像、老婆が通りすがりの活きの良い黒人の男に暴行されている姿は見るに耐えないものだった。

 普段、差別差別と騒ぎ立てるのが得意なアメリカ世論は

 黒人のゴロツキが白人警官に暴行されたときとは打って変わって

 とくになにも問題視しないというのも、なかなかに露骨な力関係が垣間見えて、滑稽で面白くすらあった。 


 そりゃ『アジア人』はアメリカに住んでる絶対数が少ないから、騒ぐ人数も圧倒的に少なく「いちいち相手にしなくても大丈夫」となるんだなぁ。

 アメリカ政府は声高に権利を主張しないグループには対応しない。

 多民族社会アメリカにおける政治的圧力の重要性が骨身にしみる。

 白人の犯行や扇動も少なからずあったが、それに至っては報道すらろくにされなかったのだから……。


 なにか事件が起こるたびに人種問題にすり替えてやり合い慣れてる連中の、こういうときの面の皮の厚さは、ほぼ単一民族国家という、この手のケンカのやり方を知らずに育った日本人には想像もつかない──。



 これな。なんと言い繕おうともな。

 女・子供・老人を狙ってる時点で丸出しなんよ。

 やってるやつらの心理が。


 なぜ黒人が『アジア人』を執拗に攻撃するのか。

『正義感』だの、『被害妄想』などではない。

 自分らより『少数派』の『弱者』に自分らの方が上だと分からせようとしてるのだ。

 黒人がそれをできるのは『アジア人』だけ。『白人』や『ヒスパニック』にはやらない。もう、数的不利を覆せないから。『アジア人』には数の上ではまだ勝ってるから。

『優位性』を示すため。『勝つ』為にやっているので、負ける可能性のある強そうな男相手には決してやらない。白人などの多数派にもやらない。KKK,(クー・クラックス・クラン:白人至上主義団体)みたいなのに本気でまた仕返しされたら太刀打ちできないから。


〝 弱いものがさらに弱いものを叩く 〟そのものの姿だ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 アメリカの人種構成国勢調査結果,(2020年)

 ◇白人,(ヒスパニックを除く):約57.8パーセント

 ◇ヒスパニック,(中南米系):約18.7パーセント

 ◇黒人,(単独で推定される場合):約13.4パーセント

 ◇アジア系:約6.1パーセント

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そして白人支配層がそれをほくそ笑んで見ているという構図。

 植民地にされたことのない日本人には歴史の教科書でしか知らない、今どきそんな古ぼけた習慣、文化が現実にあるのか信じられないだろうが。世界的にはむしろ一番見慣れた構図である。伝統の慣れ親しんだ御業である。植民地支配で数百年磨き上げた信頼と安心の技である。


 そもそも移民で出来た元植民地のアメリカ自体が、そういうイジメをイギリスから受けて、我慢できずに独立した国なのだから。


 その独立からずっと自分らより弱いものを見つけて──、先住民を、黒人奴隷を、新入りの移民を、少数派人種を、代わる代わるに先祖代々、叩いて叩いて叩いて叩いて……。

「おまえは鍛冶屋か?」というぐらいひたすらに叩き続けて250年!

 現在まで受け継いで至っているだけで、根本的な解決など一度もしてこなかった国だ。『嫌なら新しい叩かれ役を探してこい!』そういうシステムだ。


 アメリカじゃ、ゴミを漁っているアライグマの尻の穴のギョウチュウでも知っている常識だ。いやむしろ世界的常識だ。


 おめでたい日本人が、日本以外じゃどこにも通用しない寝ぼけた平和を信じているだけだ。そりゃ日本人向けに作っているアニメにいきなり外人が、「日本のアニメにはなぜ黒人が出てこない! 日本人は人種差別主義者だ!」とかなんとか、訳の分からん人種ネタの因縁で全力で噛み付いてこられてビックリするわけだ。日本に黒人なんかほぼ居ないんだから日本の日常アニメに黒人が出るわけねーだろ。馬鹿野郎。

『サザエさん一家』に黒人が混ざってたらビビるわ。

 触れちゃいけない事情があるんだなって察してしまうわ! 社会派アニメか!


 あと

 相変わらず「アメリカは人種のるつぼ」とか枕ことばで言っちゃうアホなアナウンサーとかがいるけれども。

 あのな、『坩堝(るつぼ)』ってのはな? 高温で材料を混ぜ合わせる容器なんだよ。転じて『種々のものが混じり合っている状態や場所』を言うんだよ。


 アメリカのどこが『人種が混じり合って』るんだ。

 メチャクチャ拒絶反応を示して『分離』して、それぞれ別のところに固まって住んでるだろ。

 勝手に色々な人種が仲良く暮らしてるみたいな言い方するんじゃねえ。

 勘違いしちゃうだろ。


 おめでたい子が真に受けてアメリカに夢見て留学したら……。

『筋肉留学』と称して意気揚々とアメリカに行って、何らかの〝 えげつない洗礼 〟を受けたらしくボロボロにされて。「掘られた」と噂になった『某筋肉タレント』みたいになってしまうだろ。 表情が死んで、回復までに数年を要してしまうだろ。


 1990年代初頭、ストⅡ,(ストリートファイターⅡ)というゲームが一斉を風靡したことがあった。日本・アメリカ・スペイン・インド・中国・ブラジル…といった世界各国の猛者から一人選んで勝ち抜き戦のどつき合いをする格闘ゲームだ。

 このゲームが世界的にもヒットしたという記事を読んだときに驚いたのが、アメリカでは、白人は白人のキャラ、黒人は黒人のキャラしか絶対に使わないという話だ。

 ユニークな個性や技を持ついろいろなキャラクターを好きに使って、多様な戦闘が楽しめるのが一番の売りなゲームなのにだ????


『そんなに自分の人種が好きなのかな……?』(当時の感想)

 そのころはその意味するところが何も分からなかったし、記事を書いている人も見たまんまを書いているだけであって、その背景にあるアメリカのただれた事情など説明するはずもなかったのだが。


 近年の日本の日焼けしただけのアニメキャラを黒人だと言い張って、黒人声優に強引に配役するなどといった活動。日本人からすればアホ臭さ全開の活動。そう目に映るが。そこにはシャレにならない、サバンナの生存競争のようなマウントの取り合いがある。


 アメリカの作品をどうしようが勝手だが。日本の創作物も容赦なくその犠牲になる。

 終いには日本のサムライは黒人の血が流れているなどとインターネット百科事典であるウィキペディアで工作し始め、『歴史に忠実』と言い張って、黒人のサムライに日本人が頭を下げまくる訳の分からんゲームまで作り出した。


 日本の文化や歴史を都合よく改ざんして、黒人を飼い慣らすのに使い始めたわけだ。

 わかり易すぎるだろ、クソ白人ムーブ。


 平気でそういうことをする。嘘がバレてるとか間違ってるとかどうでもいい、ひたすらゴリ押しだ。ゴリ押しで勝つ。白人だらけの陪審員裁判をやってでも勝つ。


 このアメリカ社会の異常なルール、世界観に見覚えがあると思ったら横溝正史のミステリー小説だわ。


 横溝 正史,(よこみぞ せいし1902年~1981年)日本の推理作家。

 私立探偵、金田一耕助を主人公とする有名なシリーズ『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』などの作品を著した。

 それら作品に炙り出されているのは、かつて日本にあった悪しき『村社会』の風習。

 村人同士で結託して犯罪を隠蔽し、庇いあい、法律を無視する。そして村の掟をあらゆるものに強要し、それに逆らうものには容赦しないという、閉鎖された世界。

 まさにあれだわ。日本の田舎の話しだと思ったら、アメリカ帝国の日常だったわ。


 そういやよく日本を叩くときに連中が『日本の市場は閉鎖的だ!』って喚いているが。あれ、自分らが一番言われたくないことを言ってるんじゃねーの??



 誰かがこの事態を上手く説明していた。

「白人はアジア人に席を立たせて、それを黒人に譲り。黒人は当然の権利と受け取る、そこになんの疑問も持たない」と。


 植民地政策で散々やった

『有色人種同士に支配層と奴隷をさせて、ケンカはそいつら同士で。白人は収穫の上前だけ手を汚さずに頂く』

 このやり方は、現代でも根強く続けられているワケだ。呆れるばかりであるが。

 続けられるのは、それが上手くいっている証左でもある。日本じゃ通用しないがな。


 低所得者層が住むエリアにある韓国系が経営しているスーパーマーケットも、日本とはなんの関係もないのに、待ってましたとばかりに次々と破壊、略奪、放火をされていった。黒人に──。


 おまえらそれ……、ただやりたいだけやろ。

 いつもそれやっとるやろ。


〝 その国の本性は、その国の低所得者層に出る 〟


 さすが、自由と無法を履き違えてる国民を大量に抱えている病んだアメリカは

 やることが一味違う。


 いや病んでるのではない、大戦の時もアメリカ生まれの日系アメリカ人が

 アメリカの市民権を持っているのに、それを無視して強制収容所に長期間放り込まれ財産を没収されたり二束三文で売却を余儀なくされたわ。


 おまえらナチスか? ナチスがユダヤ人にやったこととどこが違う? おんなじじゃねーか。おまえら『ナチスの尻尾』か? 『自由の国』なんてよく自称できるよな?


 アメリカを紹介する時『自由の国アメリカでーす!』なんて言っちゃってる日本人もこれじゃまるっきり馬鹿じゃねーか。うちの子ただの馬鹿じゃないですか。


 通常運転なのか? 伝統的なアメリカンスピリッツがこれか?




 ──こうして再び安易な『黄禍論』(黄色人種ヤベえ、いてまえ論)が

 アメリカ国内で数十年ぶり? (いやつい最近もあったような?)に再形成されて、女・子供・老人がドツキ回されたりしている中。


 それはさておき(さておくんじゃねえ)

 現状の、

 逃げたテロリストを探し出す様相のアメリカ軍の作戦行動に

 疑問を呈するものも当然に居た。




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