社畜、緊急配信をする 中編
散らばった大蜘蛛の肉片をアイテムボックスで回収し、店員さんを連れて店の外に出る。
「……これはひでぇな」
隣の店員さんも目の前の光景に絶句する。
俺の視界に映し出された光景は悲惨なものだった。そこら中に食い荒らされた死体が転がり、大蜘蛛や体長10mはある蟻に空を飛びながら人々の恐怖を煽っている蛾のような虫が蔓延っていた。
あの日をふつふつと思い出させるさせる光景だった。……何故大蜘蛛が接近するまで気付かなかった?これだけの事態になっているのなら何か音が聞こえるはずだ。なのに何故?……しかし今はそんなことはどうでもいい。
モンスターが蔓延っている…つまり付近でダンジョンブレイクが起こったと言うことだ。
俺はここにいても大丈夫だが、店員さんはそうでは無い。
再度俺は店員さんを抱き抱え、この場から離れた。道中転がっていた死体の中には探索者らしき死体もあった。装備の使い込み具合と素材から見るに高ランク探索者だったことが分かる。だが、そんな高ランク探索者ですら死んでいるということは……
「……一体一体がAランクモンスターに匹敵するかもしれない…」
「…え?え、Aランクモンスター?う、嘘ですよね?そんな個体がダンジョンブレイクで出てくるなんて…」
俺の呟きに反応し、腕に抱えていた店員さんの肩が震え始める。
それを安心させるように優しい口調で、恐怖を打ち消すように囁く。
「あなたは絶対に守りますよ」
その言葉に肩の震えを止め、赤らめた顔で俺を見上げてくる店員さん。
「え、えっと、あの…」
目を白黒させ、しどろもどろになった店員さんを見て笑みがこぼれる。
おっと……笑えるぐらいの余裕はあるみたいだな。
危険地帯から遠ざかるため、店員さんに負荷がかからない程度に速度を更にあげると耳につけていた藤のイヤリングが振動した。
振動が止まったかと思うと目の前に半透明の板が表れる。そこには霧世さんが映っていた。彼女は俺と通話が繋がるや否や、焦った表情で俺に話しかけてくる。
『高橋!新宿区が大変なことになっている!お前ももしかしたら見ただろうが、Aランクモンスターがごろ、ご…ろ…と…おい待て高橋。何故『
霧世さんは急に落ち着きを取り戻し、俺の腕の中にいる店員…二条さんを見つめてツッコンでくる。
『……まぁいい、今回の件が終わったらたっぷりと聞かせてもらう。今そっちに新沙を行かせた。二条を受け取ってもらえ。それと、これより緊急配信を行う。いち早く情報を伝えるために新宿を走り回れ。今回の原因だと思われるダンジョンがあったら 私に報告して、出来るのなら攻略しろ。いいな?』
「了解」
それだけ言って俺は通話を切ると、奥から何かが走ってくるのが見えた。何者かを確かめるために目を凝らす。
シルエット的に……新沙か。
そう気づいた頃にはあちらは俺のことを認知しており、手を振りながらこちらへ近づいてくる。
目の前にまで来ると、二条さんを凄い形相で恨めしそうに見えながら強引に俺の腕から引き取る。
「ゆーくんはこれから仕事なんだよね?この女は私が持っていくからそっちに専念してね!」
それだけ言い残して、すぐさまこの場から立ち去った。
愛が重いこと以外はいい女だな、なんて思いつつアイテムボックスから普通の短剣を2本取り出す。
締めていたネクタイを少し緩め、アビリティボックスから六割を引き出す。
準備万端になったので霧世さん教えられたイヤリングでの配信の付け方を試す。
イヤリングを2回指で弾くと、配信画面が目の前に映し出された。
「よし……やるか」
俺は頬を叩いて気合いを入れる。
〜配信を開始しました〜
さてと、配信を開始したばかりであまり人数は居ないが……早速害虫駆除、やっちゃいますかね。
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えちょまです。
ごめん今回のラスボス戦は明後日ぐらい。
あと何か自分か作品について質問したかったら何でもどぞ。
後自分もう受験生何で投稿頻度さがるかもね、でもできる限りのことはします。
最近伸び悩みのストレスで禿げそう^^
とりまこれからも精進していきますんでよろしくお願いします。
………思ったけど自分が何かヤンデレ化してきてない?気の所為かな?気の所為ということにしとこう!
ちなみに自分はユーモア溢れる作者になりたいんで頑張ってます
それじゃ
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