【第2章連載中!】【70万PV達成!】荷物持ちの最強社畜お兄さん、最深層から駆け上がって来るのを配信されてしまう~会社では雑魚と呼ばれていますが世間からは最強と謳われてるみたいです~

えちょま

第1章 新宿ダンジョン編

社畜、転移5秒前

 ピピピピ、ピピピピ。


 軽快な音楽がダンジョン内に鳴り響く。


 朝6時に設定していたアラームを止めて、スマホをポケットに仕舞う。


「今日寝れなかった…」


 俺は高橋優希たかはしゆうき。高校を卒業してすぐに就職したピッチピチの22歳の社畜お兄さんだ。

【ジョブ】は不遇職や雑魚と言われている『荷物持ち』。ジョブは自身の人生を左右するようなもので、一種のステータスとも言える。

 話を戻すが、なんとか就職できたまではいいものの、その就職した会社に問題があった。


 ダンジョン探索会社【狗柳いぬやなぎギルド】。社長であり、A級探索者である狗柳晴斗いぬやなぎはるとが創立した会社だ。

 何が問題なのかと言うと、この会社…超絶ブラックなのだ。表向きはホワイトだが、実際は終わりが見えない鬼畜ノルマ、狗柳からの無茶ぶりな要求、休日強制出勤、賃金不払残業等のものだ。他にも同僚達からジョブへの罵詈雑言で精神的が擦り切っていた。


 しかし高校を卒業し、ここで働いて4年、ノルマもそれほど苦ではなくなり、同僚からの精神攻撃にも慣れた。


「あれ……何故か涙が…」


 全然ダメだったわ。

 そんなに辛いなら辞めればいいと思うだろうが、不遇職であり雑魚と呼ばれている荷物持ちを雇ってくれる会社なんてどこにもないのだ。ちなみに一緒に入社した同期は全員辞めていった。悲しいね。


「っとと、こんなことしてる考えてる場合じゃない。少しでもノルマ減らさなきゃ。」


 涙を拭い、スマホを取り出して今日のノルマを確認する。


『・上層でスライムジェル150Lを納品。

 ・中層でグレートオーガ100体を討伐。

 ・下層でハイヒールリーフ1000枚を採取。以上本日のノルマ。達成できなかった場合は給料から引かれるのでよろしく。』


 相変わらずクソみたいなノルマだが、昨日と変わっていない。稀に狗柳がド忘れして同じノルマを課すことがあるのだ。


 なので、この内のスライムジェルとハイヒールリーフはすでに集め終わっている。残るはグレートオーガのみだ。難しそうに思えるが、実際は簡単。見つけたら即一発ワンパンだからだ。

 荷物持ちの俺でも4年間鬼畜ノルマをやっていればある程度は強くなっている…多分。

 あまり自分以外に人を見かけたことがないので分からないが…まあ、誰でもグレートオーガぐらいワンパンできるだろ!


「さてと、さっさと終わらしてどっかで寝るか。」


 早く寝たいという思いを一心に俺は中層へ駆けていった。


 *****


「ふぅ、終わった。」


 最後の一体であるグレートオーガから落ちた魔石を拾い上げる。魔石とは魔力を纏っているクリスタルのような形をしている。


「『アイテムボックス』」


 目の前の空間が歪み、謎の立方体が現れる 。その立方体に魔石を雑に投げ入れる。

『アイテムボックス』…物を無限に等しい程収納できるスキルだ。制限が無いため、物であればどんな物でも入れられる。


 とりあえず、これで今日にノルマは終わった。どこかに隠れて仮眠をとろう。


 計画していた通り、隠れられるような場所が無いか周囲を見渡す。


「おっ、あそこでいいじゃん。」


 そこは俺の真後ろにあった小さな穴。俺が屈めばギリギリ通れるぐらいの大きさだ。見た感じ奥行もかなりありそうなので、隠れる場所としてはかなり良い。


 近くに駆け寄り、屈んで穴を通る。

 通り抜けた穴の中はドーム状になっていて、予想通りかなり広かった。


 しかし俺は気付いていなかった…



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新作です


覗き魔、異世界転生する~スキルに『覗く』があるんですけどもう心変わりしたんです!~ - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16818093085336587662


よろしくお願いします

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