第13話 ゴミ出し

 お隣さんは幼稚園に通う女の子がいるご家族だ。女の子は毎朝ゴミ出しをする。

 雨の日でも風が強い日でも、女の子は毎日大きなゴミ袋を二つ出す。こんな小さいのにお手伝いをして、とても偉い。

「毎日ゴミ出し大変だね」

「大変だけどゴミはたくさんいるから」

「ゴミはいるんじゃなくて、ある、だよ」

「いる、だよ」

 女の子が指差したのは、通勤途中の大人たち。

「お前もだよ」

 女の子の小さく可愛い指が、私にもまっすぐ向けられていた。

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