意図的転生による 異世界スローライフ

立ち読み愛好家

第1話

ピーーーという警告音で、目が覚めた。


脳梗塞で入院したのだが、呼吸中枢が止まったようだ。


呼吸の仕方が分からない。


結局何もできないまま意識が遠ざかっていった。


ふと気づくと、子供のころ、白日夢で視た私が神界と勝手に呼んでいる場所に到達していた。


神みたいなのが、「俺たちゃ神だ、偉いんだぞ」的な意識をまき散らしながら、人界と思われるほうに奇跡を投げては、右往左往する人間を見て楽しんでいる。


前もなんだか俗っぽいなと思ったものだが、折角来たのだからとよく観察してみることにした。


人界は複数あるようだった。さらにみると、神々が決してみようとしない方向がある。


さらに見れば、そこに向かって祈りをささげている風な神々もいた。


どうやらここは階(きざはし)の一段目に過ぎないようだ。


全体を見ようと、視点を切り替えてみた。全体は球であった。球の中には階層があって、最上位っぽいのが、こちらを見てほくそ笑むのを感じた。こちらは球の外から見ているが、最上位っぽいのより下に位置するから、勘違いしたようである。


とりあえず、神界に戻って、神を攫うことにした。記憶というのは、脳というハードウェアに記録された情報なのだから、死んで脳が失われてしまえば消えてしまう。これでは不都合なので、別の手段が必要である。


そこで、神を襲って、その権能を奪うことにした。神を崇めてもその権能の一部を得ることができるかもしれないが、それでは神を超えることができない。結局奪うしかないのである。


奪うのならば、食うのが一番手っ取り早い、自分がスライムになったつもりになって、忍び寄って、一気に丸吞み。


権能を奪うことに成功した。


さて、つづいては転生である。前世の記憶は、得た権能によってバックアップ済み。


ここから、複数の人界に至ることもできそうだが、神界が共通では、あまり異世界ではない気もするので、全く違う世界に行こう。全体世界が、球に見えるところまで引いて、さらにその外側に行くことを考える。


その世界は球であった。球の中には複数の球が存在し、球それぞれが世界である。球は入れ子になっており、例えば、球Aの中に球Bがあり、球Bの中に球Aがあるが、球A同士は同じものといういささかよくわからない構造となっている。


適当に外に向かい、適当なところで、適当に世界を選んで、潜りこんだ。その世界の神界にあたるところに到達し、自身を分割して、一部を残すことにした。転生するなら、どうせ記憶は残せないから、バックアップを置いておこうという算段である。準備を整え、転生にチャレンジだ。生まれ変わるべく、下界に降りて行った。


部分別作品情報

掲載日2024年 02月28日 17時54分最終更新日-- 更新していません --

この部分を削除する



ホーム

メッセージボックス

活動報告

├書かれたコメント一覧

└書いたコメント一覧

X活動報告

├書かれたコメント一覧

└書いたコメント一覧

ブックマーク

お気に入りユーザ

マイページ

Xマイページ

なろうグループ内リンク

ブログ情報

作品ランキング

小説PickUp!

作品を探す

作品閲覧履歴

辞書

goo辞書

Weblio

※別窓が開きます

※上記は外部サイトです

▲ページの上部へ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る