断罪の果てにあるもの……。
龍淳 燐
断罪の果てにあるもの……。
ここまで至るのに3年という月日が必要だった。
今日は俺や彼奴、そして彼奴の恋人が通う高校の文化祭最終日だ。
そして俺が断罪される日でもある。
この三年間で俺は彼奴の恋人を始めとして、彼奴に好意を寄せる複数の女性や彼奴の妹を堕としてきた。
いわゆるNTRというやつだ。
しかも「無理やり」という言葉が付く。
最初は嫌がっていた彼女たちも、毎日のように行為を強要され、快楽に乱れた大量のあられもない画像や動画を撮影され、自分が警察などに駆け込めば他の女性たちの画像や動画が個人情報込みで海外のサーバーから全世界に向けて公開されるとなれば従順になるというものだ。
そして、彼奴も俺が彼女達の浮気相手(実際は快楽に堕として脅迫している相手であるのだが)だということを知っている。
知っていて、彼女たちに事情を聴いたり、別れたり、あまつさえ俺から助け出そうとしないあたり、彼奴はいい性格をしていると思う。
そして浮気の事実を、今日の文化祭最終日に行われる後夜祭の前の表彰式で自分の恋人諸共暴露し断罪するつもりでいるらしい。
ふん、馬鹿馬鹿しい。
彼奴が中学の頃にやったことを俺はやり返しているに過ぎない。
彼奴がやったのは一人だったが、俺は複数人で数の上では俺の方が極悪人だ。
しかし、今更善人ぶるなといいたい。
被害者ぶるな。
そして、彼奴が犯した最大の罪を償わせてやる。
決定的な証拠は、俺が散々ぱら女性として穢しまくった彼奴の妹とその親友が彼奴の部屋から見つけた古いスマートフォン、その中に保存されていた画像や動画の数々だ。
それによって彼奴以外の共犯者共は既に断罪済みだ。
あとは彼奴だけ……。
長かった……。
彼奴が俺を断罪したその時が、彼奴の終わりのときだ。
すべてが終わった後、何が待ち構えているのか俺にはわからない。
でも、ろくな死に方はしないだろう。
「皆さん、後夜祭を前にどうしても断罪したい二人がいます」
彼奴が壇上で演説を始めた。
断罪の時がやってきた。
彼奴と俺、どちらが破滅するのか、最高の見せ物の開幕だ。
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