第2話

 デュパンと語り手は、犯人の心理や動機を推測するために、さらなる情報を収集するために宇都宮市への旅行を計画した。彼らは、被害者の母娘の過去や関係性、そして犯人の動機についての線を探ることを決めた。


 宇都宮市では、被害者家族や近隣住民と接触し、事件前後の被害者家族の様子や関係性について詳細を突き止めた。そこで明らかになったのは、被害者の母娘が最近、車の購入やペットの飼育に興味を持ち始めたことだった。


 この情報から、デュパンと語り手は犯人の可能性を絞り込むことができた。マルサという地元のサイコパスとして有名な人物が、事件と関連している可能性が高まった。マルサは、過去に精神的な問題を抱え、周囲に恐れられる存在として知られていた。


 語り手は、マルサの過去の行動や行動パターンについて調査を行い、彼の心理を分析し始めた。一方で、デュパンは推理作家の視点から、事件の可能性を検討し、犯人の動機と手法を推理し始めた。


 彼らは、過労と疲労困憊しながらも、事件の真相に迫るために情報を集め、分析を続けた。彼らの推理と行動は、事件の謎を解く鍵となる可能性が高まっていた。


 デュパンと語り手は、宇都宮市での調査から得た情報を元に、マルサの動向と事件との関連性を詳しく分析し始めた。


 彼らは、マルサが過去に獣医やペットショップなどでの飼育の経験があることを突き止めた。また、彼が自動車関連の仕事をしており、車に関する専門知識を持っていることも明らかになった。


 推理作家の視点から、デュパンはマルサのサイコパス的な傾向や、飼育と車に関する興味から、事件の手法や動機を想像し始めた。一方で、語り手はマルサの心理状態を深く理解しようと努め、彼の行動のパターンや思考プロセスについて推測を重ねた。


 彼らの調査と推理は、宇都宮市での数日間の滞在を通じてさらに深化し、事件の謎に迫る手がかりを見つけた。


 最終的に、デュパンと語り手はマルサのアリバイを徹底的に検証し、彼が事件に関与している可能性を確信する。彼らは、マルサが猟奇殺人の背後にある暗い真実を暴くために、行動を続ける決意を固めた。


 デュパンと語り手は、宇都宮市での調査を終え、パリに戻って猟奇殺人事件の解決に向けてさらなる推理を続けることにした。


 ある晩、二人は自宅の書斎で事件について情報を整理している最中に、熱い議論になった。


 デュパン:「この事件は、一見すると混沌としていますが、その裏には明確なパターンが存在します。マルサが犯人である可能性は高いと考えます。彼の過去の行動や興味から、犯行の手法や動機を推測できます」


 語り手:「確かに、マルサの背後には暗い影があります。しかし、彼のアリバイを突破するのは容易ではありません」


 デュパン:「それでも、彼の心理を理解し、彼が犯行に至った動機を解明することが重要です」


 語り手:「その通りです。私たちは、彼の行動パターンや心理状態に焦点を当て、事件の謎を解き明かさなければなりません」


 二人は熱心に議論を続けながら、事件の詳細を振り返り、次の手順を検討した。


 デュパン:「明日、再び現場に赴き、新たな証拠や情報を収集しましょう。その際に、被害者や目撃者との直接の会話を通じて、さらに洞察を得ることができるかもしれません」


 語り手:「素晴らしいアイデアです。その間、私たちはマルサについての情報をさらに集め、彼のアリバイを徹底的に検証します」


 二人は、決意を新たにして、猟奇殺人事件の解明に向けて共に行動を続けることを誓った。彼らの強固な結束と知識の結集は、事件の真相に迫る鍵となることを示していた。


 『モルグ街の殺人』真の結末

 この謎めいた事件に興味をそそられたデュパンは、伝手で犯行現場へ立ち入る許可をもらい、独自に調査を行う。語り手は新聞に発表された以上のことを見つけられなかったが、デュパンは現場やその周辺を精査に調べ、その帰りに新聞社に寄ったのち、警察の表面的な捜査方法を批判しながら、語り手に自分の分析精神を交えつつ推理過程を語りだす。玄関の鍵は完全、秘密の抜け穴もない。煙突は通れない。表の窓は人目につかず出入りするのは無理。ならば犯人が逃げたのは裏の窓しかない。あとはこの裏の窓から逃げたということを証明するだけなのだ。裏の窓は釘で固定されているように見えたが、案の定、釘は中で折れていて実は窓は開くのだった。そしてその窓からやや遠くには避雷針が通っている。ならば犯人はこの避雷針を伝って出入りしたのに間違いない。さて、こんな危ない経路を通った超人的身のこなしと、何語か分からぬ声と、金品の放置、意味不明に見える死体の残酷な扱いなどを考え合わせるとどうなるか?デュパンは現場に落ちていた毛を語り手に示し、犯人は人間でなくオランウータンだと結論づける。デュパンが先ほど新聞社に寄ったのはオランウータンを捕まえたが持ち主は名乗り出るようにとの新聞広告を出すためであった。そこに1人の船乗りが現われ、珍獣として一儲けしようとボルネオで捕獲したオランウータンが逃げ出して、犯行を行ったことを白状する。

 

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