陽斗の旅は、自己発見と自己受容の過程を経て、徐々に明るい方向へと進み始めていました。カウンセリングセッションとサポートグループへの参加は、彼にとって新たな日常となり、彼は自分自身との関係を見直し始めていました。この章では、陽斗が自身の内なる強さを発見し、回復への道を歩み始める様子を描きます。

ある日、カウンセラーは陽斗に「小さな目標を設定してみましょう。達成できることから始めて、徐々に自信を取り戻していきましょう」と提案します。このアドバイスに触発された陽斗は、以前から興味があったがうつ病によって遠のいていた趣味、写真撮影を再開することに決めます。彼はカメラを手に取り、近所を散歩しながら、日常の小さな美しさを捉え始めます。最初はただの気晴らしでしたが、徐々に彼は写真を通じて世界を違う視点で見るようになります。

写真撮影は、陽斗にとって自己表現の手段となりました。彼は特に、夜空の星や夕暮れ時の街の風景に魅了されます。これらの写真は、彼にとっての希望と回復の象徴となります。サポートグループで彼が撮影した写真を共有したところ、他のメンバーからの肯定的な反応を受け、陽斗の自信はさらに強まります。

この新たな趣味を通じて、陽斗は自分が依然として価値のある存在であり、美しいものを創造し、感じる能力を持っていることを再認識します。写真を撮ることは、彼にとってうつ病との闘いの中で見失っていた、生きる喜びを取り戻す手段となりました。

一方で、陽斗は自分の心の健康を守るために、日常生活における小さな変更を加え始めます。例えば、より健康的な食生活にする、定期的に運動する、睡眠の質を向上させるといった変更です。これらの変更はすぐに結果をもたらしたわけではありませんが、徐々に彼の体調と気分にポジティブな影響を与え始めます。

また、陽斗はカウンセリングセッションで学んだ、ストレスや不安を管理するための技術を実践していきます。呼吸法や瞑想などのリラクゼーション技術を取り入れることで、彼は自分の感情をコントロールする力を徐々に身につけていきます。

第4章の終わりには、陽斗が自分の回復への旅を振り返り、これまでに達成した小さな目標を誇りに思うシーンが描かれます。彼はまだ完全に回復したわけではありませんが、自分自身との和解を始め、日々の生活に希望を見出しています。陽斗は、自分の経験が他人を励ますことができるかもしれないと考え始め、自分の写真や回復の過程をブログでシェアすることを決意します。彼はこの新たな目標に向かって前進し、自分の物語が他の誰かに光をもたらすことを願っています。