第6話


列はないと言っているのに

なぜか列に並んでいるのは日本人だからなのかな。



夢が有り余るほど

愛が足りないうちは

どうしても君のことを

僕は愛せない



昔書いた詩の一節を何となく思い出していた。


なんて孤独なんだろう。

誰も私の座るこの椅子が最も魅力的な場所だと言うことに気づいていないのだ。


怪訝な眼で、睡蓮をじっとみる、この中の何人が、これを食べてしまいたいほど好きになれているのだろうか。



私はもう、とっくの昔に破り取って食べてしまったよ。



日本は、遅い。



何もかもが、遅い国だ。




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