第2話



右手を差し出したのに

右手で握り返してくる

頭の悪い人が嫌いだ。


私の気持ちをわかったふりして

全然全く何にもわかってない。

優しいふりして傷つけてくる。

その愚かさに、酷さに、

1ミリも気づいていないまま平然と息を吸い込んで、吐いて、あーあ、本当に気持ちが悪い。



降ってないのに傘を差し出してくるのも嫌だ。


センスがない。

センスがない。



スクランブル交差点なんか通るルートで

あたしの手を引くあいつは本当に嫌い。



道を間違えて、

意味わかんない坂道を登らされるのも

本当に不快だし

そんなに寒くないのに

ダウンコートを着て電車に揺られる姿も

醜くてもう本当に

本当に大嫌い。



何で私はこんなひとに

生活を助けてもらわなくちゃいけないんだろう。


本当に自分が憎い。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る