あたしゃ、メリーさん
源なゆた
第1話 メリーさんはおばあちゃん
あたしゃ、メリーさん。
かれこれ五十年か、百年か、こうして誰かの口の端に上り、生き延びて来た
もうおばあちゃんもおばあちゃん。ひいおばあちゃん、ひいひいおばあちゃん、なんて呼ばれてもいいくらいの
とは言え、こうしてついつい老け込んだ口調になっちゃいるが、声は現役、『世界一かわいいよ!』と言ってもらえそうな、最高のぷりちぃぼいすを保ってる、つもりだよ。声優さんに間違われることだってある。ま、その声優さんは、本当にかわいいらしいがね。
さて、それはさておき、だ。あたしゃ、誰に電話をかけてたんだったかねぇ。あんた、知ってるかい?
え? 自分にかけてるはずだ、って? そんな馬鹿な、あたしゃあたしにゃ電話出来ない、そうだろう?
『自分』っていうのはあたしのことじゃなくてあんたのこと……ああ、そうかい、そうかい、すまないね、こちとら何しろ老いぼれだ。メリーさんも電話の誤り、ってことで許しとくれ。
ん? 何の話かわからない、って? はぁーまったく、最近の若いもんは仕方ないねぇ。弘法も筆の誤り、って
うん、それで、何の話だったかねぇ……ああ、そうだ、メリーさんも電話の誤り、と、ありがとう。そう、弘法大師様はとんでもない筆達者な方で、つまり字が
ああ、そうかい、よくわかったと、偉い子だねぇ、
えーとそれで、そもそもの話は……そう、あたしゃメリーさん。今、あんたの後ろに居るよ。
って言いたいんだが、あんたん
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