その場凌ぎの篠崎さん。

芦屋 凛

第1話:篠崎さんはテレビを観ない。

A「ねぇ篠崎さん、昨日のドラマ観た?」


篠崎(観てない・・・でも観てないって言ったら話が弾まない・・・無難な返事を・・・)


篠崎「うん、観たよ!すごく面白かったね!」


A「えぇー昨日のハズレ回じゃなかった?ストーリーが進んでないっていうかさ」


篠崎(やってしまったーっ!!ここは・・・)


篠崎「ストーリーは進んでないけど次回への伏線が多そうだからどう回収するのか面白そうだなーって!」


A「言われてみればそうかも!観るのやめようかと思ったけど篠崎さんのおかげで次回楽しみになっちゃった!」


篠崎(切り抜けた・・・でも次回が面白い保証はできない・・・ごめん!)


A「篠崎さんって他にどんな番組観てる?」


篠崎(そもそもテレビ観ないんですけど私!)


篠崎「家に居る時は常についてるから観てるって感じでもないかなぁ」


A「常についてるなら面白い番組とかたまに見つからない?!なにかある?!」


篠崎(何を言っても地雷を踏むんですね私は・・・)


篠崎「えーっとあれ!タイトル忘れちゃったんだけどアイドルと太った人が街角インタビュー見てるやつ!」


篠崎(自分で言っておいてなんだけどそんなのあるのか・・・)


A「あー!水曜でも夜更かし!面白いよね!」


篠崎(あるんかーい!しかもちゃんと面白いんだね・・・)


篠崎「そうそう!あの太った人の笑い方が最高でさー!」


篠崎(これがハズれたら私の知ったかは終わる)


A「そうなんだよね!あの豪快な笑い方こっちも釣られて大好き!」


篠崎(当たってたー!でも私知らないからこの話続けるの辛いよ?)


篠崎「Aさんは何か好きな番組ある?」


篠崎(ふふふ・・・ここでテレビ好きの相手に語らせて聞いておけばいいだけなのだ)


A「うーんテレビ観るようになったの最近でさ、篠崎さんもっとおすすめ教えてよ」


篠崎(特にテレビ好きじゃなかった上にテレビを観ない私に更に振ってくるとは・・・)


B「Aちゃーん、先生が呼んでるよー!」


篠崎(助かったーっ!Bさんありがとう・・・今後心の中で女神様とお呼びします)


A「私なにかしたっけなぁ・・・篠崎さん、後でおすすめの番組教えてね!」


篠崎(嫌だね!絶対もうテレビの話はしない!)


篠崎「ほら、早く行ってきなー早く行かないと先生怒るよー」



こうして篠崎さんは知識皆無のテレビの話題を凌いだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る