第17話 好きです!
【登場人物紹介】
ここまでのあらすじを踏まえた人物紹介です。
真鍋星矢(せいや)…社会人二年目。優柔不断。愛未と春花のどっちが好きなのか分からず悩んでいる。
多田愛未(まなみ)…社会人一年目。あざと系女子。一応彼氏と別れるまで待つように星矢に頼んだ事があるが真意は謎。
中野春花(はるか)…社会人一年目。星矢とはストーカー対策として恋人のフリをしていたが最近はストーカー被害に合わなくなり、その関係も解消された。
春日部博(ひろし)…星矢の良き相談相手。周りから好かれているが愛されキャラ的存在で恋愛関係は疎い。
堤健司(けんじ)…バーのマスター。オネェ。人生経験が豊富故に星矢にアドバイスをくれる。
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「じゃあうちに泊まります?」
………待ってましたその言葉。アナタならそう言うと思ってましたよ。………
「話したい事あるんですよね?雨降ってるし、終電ももうないなら私の家が一番話すのには最適だと思います」
星矢は了承し、愛未の家まで一緒に歩いた。星矢は傘を忘れたフリをして愛未の傘に入れてもらった。傘の中だと距離が縮まっている感じがする。元々、愛未は歩く時も距離が近いタイプなのだが。
「ちょっと部屋片付けるんで3分ここで待っててください」
そう言われ、星矢は部屋の外で待たされた。
………あぁ。俺、今日ここに泊まるんだ………
3分後。愛未は星矢を部屋に招き入れた。
「ただ約束してください。今日の事は絶対誰にも言わないでください。星矢さんが話したい事あるって言うし終電逃して可哀想だから泊めるだけですからね?」
「わかってるよ」
星矢はその約束を呑んだ。
………これはどっちなんだ?本当に終電逃した同情心だけで泊めたのか?………
考えてもわからない。しかし、ここまでいって振られる事はないだろうとも思っていた。
「俺さ、今日愛未に話があるって言ったよね?」
「え〜急に改まってこわーい。すっごい重い感じですかー?」
………何が怖いだよ!あざといな。わかってるくせに。これで告白って気付いてなかったら、かなり鈍いよ?あなたが恋愛面でそんな疎いわけないからね?………
でも星矢にはなかなか勇気が出なかった。告白する勇気が。オッケーされる確信が持てなかったから。相手が愛未だったから。
「お盆前にさ、公園のベンチで愛未が受け入れてくれる人がほしいって言ってたよね?」
すぐ告白する勇気が出ないからその方向に話を持ってく。星矢もなかなかあざといのかもしれない。
「はい。言いました」
「俺がそれに対して俺は受け入れるって返したの覚えてる?」
「はい。凄く嬉しかったです」
「あれさ、嘘じゃないからね」
「と言いますと?」
「俺さ、、」
「ごめんなさい、凄い眠くなってきた」
遮るように愛未はベッドの角に頭を乗せる。星矢も告白の雰囲気を作るために近くに座る。手が触れる。
「だからね、あの時の発言は嘘じゃないし彼女作らないでって言われたから作らず待ってたのね」
「はい。」
優柔不断すぎる。すぐに告白すればいいのに。星矢も自分では分かっていた。
「だからその、、」
「え、何が言いたいんですか?私の事、ビッチだって説教するつもりですか?」
「そんなんじゃないよ。だからね、愛未が男の人と距離近かったり不特定多数の人間からモテたいって願望を俺も受け入れてるよって意味で」
「はい。」
「だから」
「だから?」
「好きです!付き合ってください!」
この時、もう既に手は繋がれていた。愛未の家でベッドに横たわり手を繋ぎながら星矢は告白したのだ。
外は雨が降っていたが雨の音にかき消されないくらいの声で星矢は思いを伝えた。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございます!感想や主人公が誰と結ばれるのか等、予想を応援コメントとかに書いてくれるととても嬉しいです。
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