第2話 新しい家

おいらが拾われてから、半年後におじいちゃんが死んだ。

 可愛いがられていたから、悲しかったよ。

 おじいちゃんが死んでからママは引っ越してアパート住まいとなり、おいら達も外には出られなくなった。

 でも『ノビー』という仲間も増えた。

 三毛猫の『ノビー』は捨てられていた雌猫で、まだ3ヶ月の赤ちゃんでおいら達のアイドルだ。

 子猫なのでおてんばでおしゃべりが好きで、少しうるさいけど雌なので仕方ないと思っている。

 キャットタワーもあるし、3階だから外もよく見えて快適に暮らしていたよ。

 ジューは子育てが上手くて、孫のようなノビーとよく遊んでいる。

 おいらは『ナナ』と気が合い、仲良しになった。

 同じ白猫で年も一つ違い、尻尾も長く見かけも兄弟のように似ている。

 ここに来た子猫の時には、母親がわりに面倒を見てくれた、頼りになる兄貴のような存在だ。

 チビで我儘でやんちゃで気が強く、甘ったれなおいらとは正反対だ。

 でも、ナナはそんなおいらを弟のように可愛がってくれる、いいやつだよ。

 そんなナナはママのお気に入りだから、少し嫉妬をして何回かマウンティングをする意地悪をした。

 でもこれはナナが大好きで、甘えている証拠なんだ。

 おいらは、ナナといると凄く安心するんだ。

 寝姿もシンクロしているし、餌を食べる姿も同じ格好だよ。

「まるで双子みたい」だと、ママがよく笑っている。

 そうさ、おいら達2匹は義兄弟の契りも交わしていて、ママには悪いけどナナの方が好きなのさ。

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