俺の人生を取り戻す
GINSK
1章
第1話 夢を見た
俺は幼少時代の数年間父親から虐待を受けていた、そのため他人を心から信用することが出来ずにいた。
親友と呼べる人はなく、心から信用できるのは実の母親と、妹の
母と再婚した
いつものように一日を終えたある夜のことだった、俺は不思議な夢を見ていた。
光に包まれた、いや、光そのもののように輝く存在が俺に話しかけてくる。
「あなたに今の悩みを解決することが出来る可能性のある能力を与えましょう」
俺はこれが夢であると自覚しつつ、目の前にいる存在が超常の存在であること、これは実際に起こることだとなぜか確信できた。
「あ、あなたがどのような存在かは解りませんが、私よりも不幸な人間は何人もいるはずです、なぜ私に能力を与えてくれるのでしょうか」
俺はできるだけ丁寧に目の前に疑問を投げかけた。
「あなたは本来幸せな家庭で過ごし、素晴らしい友人たちと伴侶を得て、一生を終えるはずでした」
「ですが、あなたの家族や環境を歪めてしまった者がいるのです。本来は彼も私たちと同じように地球の命達を守護し、導く存在でした・・・」
そこから、その存在は、人を歪めた存在が生まれたばかりの未熟な存在だったこと、人の悪意に触れすぎたせいで歪んでしまったこと、仕方なく歪んだ存在を浄化するために封印したこと、俺のような人が何人かいることを教えてくれた。
「そこで、あなたのような人生を歪められた人達に、力を授けることにしたのです、あなた達の人生を取り戻すことが出来る可能性のある力を」
「・・・」
正直話の内容が理解を超えている、少なくとも最近まで中学生だった自分には理解できるはずもない内容に俺は黙るしかなかった。
「あなたに与える能力は、人の感情を読み取ることが出来る能力です、人を信用することが出来ないあなたには必要な力となるでしょう」
「え、感情を読み取る能力ですか・・・逆に信用できなくなりそうな気も・・・」
最近読んだ漫画に心を読めるようになった少年が常に聞こえる人の声によって人間不信になる描写があったことを思い出した俺はおずおずと自分の考えを口に出した。
「大丈夫です、感情を読み取るためには相手の感情を読みたいと意識する必要があります、常に人の感情が読み取れるわけではありません。あなたが考えている漫画のようにはなりませんよ」
「っ?!考えていることがわかるのですね・・・、話を聞く限りでは大丈夫そうですが相手に悪感情があった時が怖いですね・・・」
試行を読まれたことに内心驚きつつ、頭の中の不安を口に出した。
「悪感情は人間であればだれでもあります、常に持っているものでもありませんが完璧な善人など存在しません、あなたは人を理解することから始めなさい」
「・・・そうですね、分かりました。私も信頼したい相手がいるので、がんばります」
「よろしい、そろそろあなたも目を覚ます時間ですね、あなたの人生を取り戻し、悩みを解決することが出来ますように・・・これがあなた達に与えられる最後の加護なのですから」
「え、今なんt————」
俺の言葉が口から出る前に意識は闇へ落ちた。
————ピピピピピピ
大音量の機械音を出すスマホを手に取りアラームを切った。
「う・・・朝かぁ・・・変な夢見たからかまだ眠い・・・」
そう言いながら重い体を起こす。
「そういえば、能力が何とか言っていたな・・・あと人生が歪んでいるとかなんとか」
夢で見たことを信じてしまうなんて普段なら寝ぼけすぎもいいところだが、理由はないがすべて本当のことだと確信できた。
「あとは・・・あれ?なんて言ってたっけ・・・」
眠い目をこすりながら考えるが、それ以外の夢の記憶は抜け落ちたようになくなっていた。
その時、バン!という大きな音とともに部屋の扉が勢いよく開いた。
「
部屋に入ってきたのは妹の美華だった、妹といっても年齢は一緒だし誕生日も同じだが。
「そうだった、今行くよ、って、もういない・・・」
小さい頃はよく一緒に遊んでいた美華だが、いつからか俺に対しての対応がそっけなくなっていった、話してくれるだけありがたいかもしれないが、数少ない信用できる人である妹にそっけなくされるのはなかなか心に来る。
「早く準備して行こう」
身支度を済ませて、リビングのある1階へ降りた。
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初めまして
今回カクヨム初めての作品・・・どころか人生で初めての作品なので、分かりにくい点や誤字脱字などたくさんあるかと思いますが優しく見守っていただければ幸いです。
また、更新頻度はかなり遅くなると思いますので、万が一、気に入っていただけた方は、申し訳ありませんが気長にお待ちください。
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