ちょっとだけ黒い過去
くまの香
第1話 黒歴史を話したら
カクヨム誕生祭2024、黒歴史放出祭…………。怪しい。カクヨムは何を狙っているのか?
誰にでもひとつやふたつ、人に言わないできた『黒い過去』はあるはず。それを今、何故集めるのか。
あれか?弱みを握る気か?
人に言えない秘密を手に入れてカクヨムから逃げられないようにするのだろうか?
いや、投稿した時点で秘密は皆と共有する事になる。
となると考えられるのは、こちらの弱みに漬け込み、壺とか印鑑とか布団とかを売りつけるのだろうか?
壺以外は既に持っている。
うにょうにょと読めない字体の立派な『銀行印』、買った。高かった。銀行に入行して直ぐに買った。
銀行員に銀行印を売るとは、やりおる。
高級羽布団も買った。「結婚しても使えますよ〜」とハタチの時にダブルのかけ布団をローンで購入した。
…………未だにシングル(独り身)である。
大きくて邪魔なだけの無用の長物になっている。しかも「百年保ちます!」と言われた。
百年間、ひとり寂しくダブルの掛け布団んん〜!
英会話の教材とかは何セットも買ったけど、英語は喋れないままだ。
「テープを聞くだけで話せるようになります」
信じた私が馬鹿だった。聞いただけで覚えられるわけないじゃん。そもそも何言ってるかわからないから、耳が雑音として処理するのだ。
リズムにのって英会話を覚えるのもあったな。海外旅行用の英会話をリズムで身体に叩き込む。ちょっと効果はあった。
機内での飲み物サービスの時の受け答え。コーヒーを頼んだ時、
「シュガ、フォミー、エン、ブラクカフェ、フォーマイフレンド」(お砂糖ください、それと友人はブラックです)
何か、リズムに乗りにくい。日本人なら五七五七七。あと私は砂糖は要らぬ。ブラックプリーズなのよ。そして友人はコーヒーにはミルクが必須なの。
身体で覚えたからその通りにしか言えない、言え替えが出来ない不器用な私。
他にも色々と買った。決して買わされたとは言わない。私が買うと決めたのだから、それが失敗でも『騙された』わけではない。
そう、すぐ騙されるアフォな恥ずかしい過去じゃないのよ。
…………カクヨム黒歴史放出祭を読んだどこかの詐欺営業さんからメールが来ても、絶対買わないから。
「幸せになる壺、今なら百万円ポッキリ」
買わないから。
「文章が上手くなる魔法の壺!今なら30万円で大放出!」
くぅっ、買わない。欲しいけど買わないから。
「何でも入る魔法のアイテムボックス!一個五万円の大特化!」
えっ、アイテムボックス?欲しいかもぉぉ。どうしよう。五万円くらいなら……。
「今ならアイテムボックスにテレポートスクロールが5枚付いてます!」
ください!
…………おかしいな。若き頃の過ちから学んだはずなのに。
2話「鼻から……」に続く。
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