第三世界

石崎あずさ

消え始める命

※ここに登場する名前、組織などは実在するものとは関係ありません。

ご了承ください。




ここは、20XX年。日本。

昔から緊迫していた台湾情勢についに一大イベントが起こってしまった。

中華人民共和国が、中華民国への侵攻を開始し、本格的に『台湾有事』が始まった。

これが起きたことにより、中国は世界からの反感を買うこととなり、台湾側につく日、米、英、仏、独などによって構成された「資本国」と

中国側につく露、北朝鮮、アフガニスタン、キューバ―、ベラルーシなどで構成された。「共産国」で世界を二分することとなり、

国連事務総長のマーヴィン・フィギスは

「本格的な第三次世界大戦の始まりだ。」

と述べた。

米軍は沖縄・長崎などに進駐していた米海軍を動かし、日本海域周辺の防衛をしつつ、台湾島周りを包囲するように海域の警戒を進め、韓国軍は北朝鮮人民軍の変化がないか見張ることとなり、日本の自衛隊は韓国軍と共同で見張ることとなった。

中国軍は進軍を遅らせることによって米軍やその他資本国の混乱を起こすことができると考えていたが、米軍は第二次世界大戦などでその経験があるため、その作戦は聞かなかった。

さぁこの情報戦の中、中国率いる「共産国」

台湾率いる「資本国」で今、

新たな戦争いくさが始まろうとしている。




ー台湾有事発生直後の中国国内ー

「中国・沙 子涵シャ ズーハン主席は台湾に侵攻することを命令したとして、世間からバッシングを浴びることになった」

と報じられた。

だがその数日後、中国国内の沙 子涵の独裁政治は過激になり、中国の独裁は最悪のものとなった。

沙 子涵は自分に楯突く者に強制労働所や刑務所に送還される事態となった。

在中日本人はスパイとみなされ、中国当局に拘束され、それから音沙汰がなくなっている。

中国の恐怖政治はいつまで続くのだろうか。

沙 子涵は歴史上最悪の独裁者と言われる末路になった。


ー一方台湾国内はー

台湾では二度目の女性総統となる窦 蓮花ドウ リェンファが戦争を指揮することとなり、こう世界に訴えた。

「台湾は私たちだけでは敵わないような敵に襲われています。私たちを救ってください。どうか私たちを...」



ここで日本は「Japanese secret anti-war organization」、通称「JSAO」を設立し、共産国には秘密裏に抗戦することとなった。

自衛隊は日本の国防を目的とし、海上保安庁は大韓民国海軍と共に日本周辺海域の監視を行った。

ここでとても悪いニュースが世界を出回ることとなった。

「中国軍が高雄市に上陸」

このニュースを見る限り、米軍は反抗を開始することとなった。

米軍や資本国は台北市からの上陸を警戒していたため、この上陸はとても危機的状況にあることが一目瞭然だった。

ここで米台首脳会談を行う運びとなった。

米国大統領・マニー・アンドルー・モートは中国が実質的な支配をしている高雄市に空爆を行うこととなった。

台湾・窦 蓮花は少し渋りながらも「それでこの国が救われるなら...」と受け入れた。

この作戦を「スチット作戦」と名付けた。



ー台東攻防戦ー

中国は高雄を陥落。中国は台東方面への進軍を続けた。

台湾軍、米軍は台東方面などの防衛はもちろん、万が一軌道変更を行われた時の対策に屏東や嘉義、南投方面の守備を固めた。

中国は最初の予想通り台東にやってくる。

中国軍が打つと同時に台湾軍からも「杀!(殺せ!)」と怒号が響く。

米軍は黙々と打つ。

だが、この後中国はとんでもない悪夢を見ることとなる。



ーフィリピン海西沖ー

そこには米軍の戦艦「オレゴン」が止まっている。

そこに搭乗していた米軍がほかの艦隊に無線で伝えた。

「A bomber plane passed by with an American flag on top!(上に星条旗を掲げた爆撃機が通過した。)」


米軍には知らされていなかった。

それは米軍の混乱を招かないアンドルーの思惑だった。



20XX年4月12日

「魔都」と呼ばれる年に無数の光が降り注いだ。

『ボーン!!!』

とてつもない轟音が響いた。

20XX年4月12日、12:41。上海大空襲が起きた。

上海は一瞬にして焼け野原となった。

このことにより、北朝鮮、ロシアは戦争参戦を表明。

それと同時にヨーロッパ諸国、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、スペインも参戦を表明。

それにより、第三次世界大戦はアジアだけでなく、ヨーロッパまで巻き込む事態となった。

そしてアメリカはすべての資本国はニューヨークに来るよう呼びかけた。

それによってアメリカ提案の「資本国敵対国家思案書」を公布。

中身にはこう書いてあった。

『韓国・日本は北朝鮮に

日本・台湾・韓国は中国に

ヨーロッパ諸国はロシアに

アメリカはすべてに対応する。』

こう書いてあった。


ー中国ー

中国・沙 子涵は米国本土爆撃を要請。

爆弾を爆撃機に載せ北京から空を旅立った。



ー太平洋上空ー

空を飛んでいる途中の中国軍から無線が届いた。

「レーダーが反応。敵軍のようです。」

この無線を最後にこの兵士からもう二度と無線が届くことがなかった。



ー紫禁城ー

米軍は中国軍を撃墜し、そのまま中国に向かって飛び続けた。2度目の爆撃をするようだ。

米軍は中国本土上空に達すると敵空軍がいないか確認する。

敵はいない。

もう地点到着

照準を合わせ、堕とす。


『バコーン!!!!』

大きな轟音と共に明るく光る。



20XX年4月25日、北京大空襲。

この空襲により、沙 子涵は全治2週間のけがを負った。

沙 子涵はさらなる反撃を開始する準備を始める。

だが、中国軍の重要拠点があった北京を爆撃されては元も子もない。

中国軍は一度台湾から撤退。

深圳を首都にし、重要拠点を天津に置き、首都と拠点を離れさせることした。

中国は天津で核開発を進める準備をしていた。


だが同じその時、米軍も核兵器を作っていた。



つづく

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