第2話助けられた少女
私の名前は
だが私はそんなこともあって油断していたんだと思う。配信中にあんなことが起こるなんて、、、
「ということで今回は下層で装備を強化するための素材を集めるのとレベル上げをやっていこうと思います」
コメント
>ある程度は安心だけど気を付けてね
>どれくらいやるの?
>楽しみ
私は個人の配信者にしては人気だと思う。休日とはいえ配信を開始して数分で数千人の人が集まった。
「大丈夫だよ。安心して私は今回ボスとかには挑んだりしないから。フィールドモンスター程度なら全く問題ないから」
コメント
>まあそれなら安心か
>作業配信と聞いて
「ということで早速やっていこうと思うよー」
そういうと私は早速狩りを開始した。やはりこの程度のモンスターなら全く問題なく倒せる。今回は私の防具の素材であるインフェルノイノシシを狩る予定だ。このイノシシは単純に皮が硬くて柔軟性が高いのと何よりも炎に対して高い耐性を得られるのでこれで装備を強化していくつもりである。
「ふうー一時間経過、今のところ狩れたのは30匹か、まあそこそこだね。まだまだ狩っていくよー」
コメント
>やっぱ手際良いですね
>この安心感よ
私は感知スキルでイノシシの位置を調べると背後から素早く奇襲をしかけて首元に短剣を刺して狩る。他のモンスターも同じような手順で狩るためこの安心感があるため私の配信は人気なんだとか。
それからも30分ほど狩り続けていると、変な違和感を感じた。
「ん?気のせいかな?」
コメント
>どうしたん?
>なんかあったの?
「いや、、なんか違和感を感じた気がして、まあ気のせいか。気を取り直して狩っていきます」
コメント
>おk
>危ないと思ったら帰ってね
それから5分後その違和感は考えられる限り最悪の形で私に襲い掛かることとなった。
「え?」
私の数十メートル先に腕が8本あるカマキリが突如として出現した。あいつの名前はリッパーカマキリと言って深層のモンスターだ。本来ならこんなところに出現して良いハズのモンスターではない。そして深層のモンスターは深層へと繋がるボスよりも最低でも10倍以上も強いと言われている。現在ソロの私に勝てる道理は一切なかった。
「逃げないとっ!!」
コメント
>イレギュラーかよ!!
>ヤバくね?
>早く逃げろ!!
>死んでほしくないよ
>別の探索者に任せればいいから!
そして万が一を考えてカマキリをしっかりと見つめながら後ろに早歩きで下がる。しかしそんなかすかな抵抗虚しくそのカマキリは消えたかと思うほどの速度で私の懐に入ってきてその八本の腕を振るってきた。辛うじて致命傷になりそうなところは短剣で防げたがその攻撃によって短剣は折れてしまった。
「グっっ!!」
コメント
>マジでやばいって!
>でもどうやって逃げるん?
>しかももうダメージもらっちゃったし
コメント欄ももはや阿鼻叫喚であった。しかし皮肉にもこんな時に限って同接は4万と増えていた。そしてカマキリがとどめの一撃を振ろうとした瞬間、カマキリの横に成人男性が瞬間移動でもしたかのように表れた。そして移動してきたかと思うと次の瞬間にはカマキリの顔面が地平線へと吹っ飛んでいき目の前のカマキリは光の粒子となり素材を落として消えた。
「は?え?」
そうやって呆けているとポーションを放り投げられた。それを驚きつつも何とかキャッチすると
「じゃ俺はこれで、気を付けて帰ってくださいね。では」
と言って上の階層へと続く階段の方に向かって駆け出して行った。お礼を言おうとしていたが間に合わなかった。この状況に驚いているのは何も少女だけではなかった。コメント欄も同様に驚き呆けていた。
コメント
>は?
>え?
>はい?
>何が起こりました?
>カマキリの顔面が飛んで行った?
>その前に気付いたら横にいたあのお兄さんは一体?
>てか素材そのままやん
>急いでたんかな?
>それはそれとして深層のモンスターワンパンはやばくね?
>いやワンキックやぞ
>そこは関係ないやろ
>気付いたらカマキリの横に突如現れて、右足でキックして、それでカマキリの顔が飛んで行って、カマキリが死んだ、、、いやドユコト?
>文にしてわからなくってて草
「あの!ちょっと待ってください!!あ、行っちゃった、、、どんな人なんだろう?このポーションももらっちゃったし、それにこのリッパーカマキリの素材どうすれば、、次会ったら返そうかな」
コメント
>マジでその素材どうしよっか
>さすがに助けてもらった上で素材までもらうわけにはいかんしなぁ
>次会えたら返せばいい
「と、とりあえず本日はもう終わりにします。ここまでご視聴いただきありがとうございました」
コメント
>お、乙
>気を付けて帰って下さい
せっかくもらったのでポーションは飲ませていただき(次会った時に素材と一緒にお金で返す予定)地上に帰ったが感知スキルを使いモンスターと遭遇しないようにしていたので問題なく帰れた。
「もし次会えたら返すのと同時にお礼もしないとなぁ」
そんなことを呟きながら家に帰るのであった。
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ここまで読んでくださりありがとうございました!!
補足ですが本編では書く機会がなかったのでここで言います。天さんの配信名は『
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