第24話 継承の儀
う、うううっ……、な、何が?
え、…………ここはどこだ?
眼を開けると、さっきいた場所とは違った真っ白な部屋だった。
理解がまだ追いつかず、周りを見ても真っ白で新たな情報を得られない。
え、ええっ?
俺はさっきまで、黒い扉の前に…………あ、吸い込まれたっけ。
思い出した。何故か、『捕縛無効』で封印を解いてしまって、扉の向こうへ吸い込まれた。
なんで、『捕縛無効』で封印が解けるんだよ!?
条件を達してないとか、流れてなかった……? 大丈夫なのか?
もしかして、無理矢理に封印を解いたからこんなところに閉じ込められてしまったのではと心配になってしまう。周りを見ても出口も何も…………いや、向こうに何かあるな?
向こうに台みたいのがあり、そこには変な物が浮いていた。
理科の教科書で見た遺伝子みたいに二本の棒を捻ったような物だった。
ふむ?
これを封印していたのか……って、何なのかわかんないけど……。
見た目では遺伝子の形で何に使うのかも予測出来ない。近付いて観察をしてみるが、何も起こらないまま時間だけが過ぎていく。
出口もないし、アレに触れないと何かが起きないと言うのか?
怪しすぎるアレに触れろと?
もしもだぞ、アレが邪神を復活する鍵だとしたら、触れた瞬間に復活して、世界が滅亡するとかだったら、嫌なんだけど。
まぁ、考えすぎだと思うが、慎重になっても仕方がないだろう。
うーーーーん!!
よし、覚悟は決まった!
他に出来ることはないので、触れることに決行することに。
そぉっと前足を出して、割れ物に触れるような動作で距離を近づけて行く。
触れた。
前足を伝わって、中へ入り込んだ。
え、ちょっ!?
あーーーーーー、熱いぃぃぃぃぃ!?
遺伝子のような物が胸へ入り込み、焼けるような熱さに光る床を転がり回る。
そして、いつもの声が流れ込む。
《継承(けいしょう)の儀(ぎ)を開始します》
《ホタルは継承の儀により、特殊進化致します。サイバーレッグスからサイバディクスへ特殊進化し、継承スキル『機人形(エクス・マキナ)』を継承致しました》
な、何が……?
《継承スキル『機人形』により、『状態異常無効』を取得致しました。『猛毒無効』と『病苦無効』は『状態異常無効』に統合されました》
い、意識が消えそうだ……。
《更に、『迷宮の踏破者』、『継承者』を取得致しましたーーーー》
ホタルが聞こえたのは、そこまでだった。意識が途絶えたため、続きは聞けず、その後に何が起こったのも知らない。
光る部屋では声が流れるだけで終わらず、全てが光に包まれて継承者が生まれたことにより、継承者にしかわからない波動が世界中へ広がったのだったーーーー
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