天才気取りは召喚され、殺され、転生する!!
神代零
プロローグ
天才とは何なのか?
いきなりの問答に驚く者もいると思うが、聴いて欲しい。
その問答は誰も浮かぶ疑問でもあるだろう。さて、天才と聞いたらどうイメージするか?
ーー例えば、何でも出来る人、天から才能を与えられた人、出来ないことは何もない人、努力いらずの人など…………、それらに近しい考えを持ったことはなかろうか?
天才と言っても、様々な種類があるのも理解している。子供の頃から他の人より出来ることがあれば、『神童』と呼ばれ、他の者より超越したような才能があれば、『鬼才』と言う言葉があるーーーーおっと、自己紹介が遅れたな。
俺は
では、天才とは何? だったな。これらは俺の考えでしかないが、今に話したいと思ったから独り言を垂れ流しているのさ。この人は何を言ってんだ? と馬鹿にしたり笑ったりしてもいい。だが、これから話すことは大切なことだと自分は認識しているのだから、話すのだ。いいな?
自分が思うが天才とは、皆が思うような万能な存在ではない。天から与えられた才能? ふっ、そんな考えでは主人を待っているだけのラッキー(犬)とは変わらん!!
才能とは、自らで勝ち取るものだ!!
もし、そんなことをマジで思っている奴がいたらーー30歳まで童貞を守り切ったら魔法使いになれるのか? と聞きたくなるね。アレか、親の遺伝子で才能が受け継がれているから、才能は元々から持っているんだ!! とかほざくアホもいるのか?
そんなのは間違いだと自分は思うね。テレビとかで親がタレントだから子もタレントと言うのがあるが、それは親が『指導者』として素晴らしかったからだけである。親が子へ上手く伝えることが出来、子も努力したからで、親から子へ継承することが成功したからであって、親が出来たのだから子も出来るのではない。
という考えを俺は持っているが、皆はどうだろうか。
次に、『神童』、『天才』、『鬼才』と言う言葉に対しての考えも話しておこう。言っておくが、この考えは俺がそう考えているだけで、これが正解と言うわけではない。
それを心に留めて聴いておくれよ。
まず、『神童』だな。神童とは、神が入っているだけあって、いい響きのような感じがするだろう。だが、神童と言う言葉は、神童と呼ばれた子が使う言葉ではなく、周りの人が使う言葉である。
考えてみろ、神童と言う言葉は期待されてそう呼ばれる…………、つまり、子の方は神童になろうと思って行動しているわけではない。たまたま出来たことを親、家族や近しい者に見られて、将来を期待されてそう呼ばれるようになる。
わかるか、殆どは親の期待から生まれるのが『神童』と言うこと。大抵は大きくなったら神童と言う言葉は薄まっていく。
何故なら、まだ小さかった頃に出来ていたことが大きくなるつれに、出来て当たり前と言われる環境に変わっていくからだ。出来るのは自分の子だけではないのが時間が経つことによって親は理解していくのだ。
だが、『神童』の中から一握りだけは可能性を広げることが出来た人もいる。
その人は、まだ小さいことから好きだと言えることを早い段階から見つけて、【ただやってみたら出来た】のランクから【出来る】に上がるわけだ。大きくなっても他の人より突出した能力を持ち始めてから、『天才』と呼ばれるようになる。
ここから、『天才』という言葉が生まれると自分は考えているわけだ。
たまに『天才』を自分で言う人もいるが、大抵はそう言っていないと自分を保てない弱い心を持っているか、冗談で騒ぐ酔狂な奴だけだ。天才だと判断するのは、またとしても周りの人だ。周りの人が他の人と比べて、その人がどれだけ優れているか判断しているのだ。そして、天才と判断された人は憧れや嫉妬の感情により、天才と呼ばれるようになる。
それを成し遂げるには長年の努力が必要になるが、さらに『天才』の中には一握りというより、一摘みだけはある条件を見つけたことにより、他の者から超越した能力になった人のことを『鬼才』と呼ばれる。
ーーなんか、繋がっているなー。小さい頃から『神童』と呼ばれる程の能力が無ければ、天才や鬼才になれないのか? と思った人は間違いである。
この天才と鬼才の過程にある条件は、いつからでも始めることが出来て、それに気付いた者は小さい頃から『神童』と呼ばれなかった者も『天才』や『鬼才』にもなる可能性もある。
また言うが、この話は自分の考えであって皆に推奨するような正解ではないので、勘違いはするなよ?
…………こほん、ある条件と言いましたが、それは人々によって内容が違うので真似をしても無駄になる可能性もある。その条件とはーーーー
強い興味。様々な好奇心。狂気に近い感情…………
俺の考えでは、そんな所だと確信しているが、周りから理解を得られないだろう…………特に、最後の狂気に近い感情というのがな。
しかし、俺は一応『天才』と呼ばれていることからこの考えが間違ってないと確信している。周りからどう言われようが、自分の意見を変えることはないだろう。
話が変わるが、俺は世界で一番嫌いな言葉がある。それはーーーー
『退屈』だ。
退屈、俺の場合は何もやることが無いからではなく、何かやっても退屈だと感じてしまっているのだ。まだ自分が高一であることに対して、日常が退屈だと感じているほどに変人だと自覚している。
だが、退屈だと思うのは止められず、様々な事に挑戦をしてきた。
ーー話は大体読めてきたかな? そう、小さい時から様々な事に挑戦してきて、他の人よりも能力が高かったことが判断されて『天才』と呼ばれるようになったわけだ…………
だが、退屈はそれで掻き消すことなんては出来なかった。
しかし、その退屈を紛らわせる出来事がたった今、起きたのだーーーー
それが、俺、月夜蛍は嬉しかった。それが、長ったるい説明をした理由なのだ。
では、何が起きたのか?
それはすぐにわかることになる…………
ーーーーーーーーーーーーーーーー
一つの部屋にて、石床が変な模様が描かれている上に赤い液体が汚していた。そんな場所に立つ者が数人いて、部屋の隅には白いローブを着た人が囲んでおり、部屋の真ん中には赤い液体で染められたドレスを着た綺麗な女性が剣を手に持ち…………最後に、膝立ちになっているのがさっきまで心の中で独り言を喋っていた少年がいた。
「私の名はーーーーティリア・ダ・カエサルだ。第二皇女をやっている。記憶に残せなくても、魂に刻めれば良かろう。では、転生した後にまた会おうーーーー」
蛍の周りには、クラスメイトだった者が、首を落とされて血塗れになっていようが、目の前にいる第二皇女と名乗る女性が剣を持って、蛍の首へ目掛けて振り下ろそうが…………、それに対して、月夜蛍は歪んだ笑みを浮かべていた。
そして、月夜蛍は死んだーーーー
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