はじける青をこの目で見据えた

夜野十字@NIT所属

Prologue - ライブにて

  舞台の上で、俺の幼なじみである咲月さつきがスポットライトを浴びていた。


「みんなー、今日は来てくれてありがとう!」


 咲月の声を受け、観客から歓声が上がる。

 数瞬の間を置いて、ギターを掻き鳴らす音が朗々と響き渡った。


 咲月の演奏が、身体の中に染み入ってくるように感じる。

 俺の中で、今舞台上で輝く咲月と、かつての咲月が重なった。


 咲月の爛々と輝く瞳が、俺の目に眩しく映る。


 俺は自然と、あの雨の日のことを思い返していた――。

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