困ったおばちゃんの霊にご用心!

みっちゃん87

前編

町の隅々まで知られる、一筋縄ではいかないおばちゃんの霊。彼女はいつも自転車に乗り、突如として現れる。その日も、静かな午後が一変した。


「またか…」とため息をつくのは、お寺の住職の息子、小路君。彼には世にも珍しい能力があった。強い霊感と、幾ばくかの超能力。霊の存在を感じ取り、時には彼らと対話することもできるのだ。


おばちゃんの霊は、町の人々にとってはもはや恒常的な困りごと。お菓子を盗み食いし、贈り物を要求し、愚痴を好き放題ぶちまける。だが、小路君にとって、彼女はただの悪戯好きな霊ではなく、何か深い理由があるに違いないと感じていた。


ある日、おばちゃんの霊が公園で大暴れしているとの噂を耳にした小路君は、事の真相を確かめるべく現場へ向かう。自転車に乗った彼女は、いつものように勝手気ままに振る舞っていたが、小路君は彼女の背後にある深い寂しさや未練を感じ取った。


「おばちゃん、なぜこんなことをするんですか?」と小路君が問いかけると、おばちゃんの霊は一瞬だけ虚空を見つめた後、不機嫌そうに「うるさいわね、好きにさせておいてよ」と答える。


しかし、小路君は諦めない。彼は、おばちゃんの霊がこの世に留まる真の理由を探る決意をする。その答えを見つけ出し、彼女を成仏させるためには、彼女の本当の願いを理解する必要があると感じたのだ。


そして、小路君の奇妙で心温まる冒険が始まった。彼はおばちゃんの霊との日々を通じて、町の人々との関係を深め、自らの信念と能力の意味を見出していく。だが、おばちゃんの霊を成仏させる道のりは、予想以上に困難で、多くの試練が彼を待ち受けていた…。


前編はここまで。小路君はおばちゃんの霊の真の願いを見つけ出し、成仏へと導くことができるのか?そして、その過程で彼自身はどのような成長を遂げるのか?後編で明らかになります。

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