第48話 魔道鎧②

魔道鎧はコンセプトとしては人の外部に魔道具を取り付けて行動を補佐するというものだ。



まあ細かいことはよく分からないので、エーソンさんやドワーフさんなどといった専門家さんにお任せする。



そのぶんしっかり2人のお手伝いをするけどね。

シルキーさんにも手伝ってもらいながら夜通し開発をすすめる。



一ヶ月後。



魔道鎧の試作品が完成した。



魔力を電池として、すさまじい怪力を発揮してくれるそうだ。

ちなみに見た目は、完全に中世の騎士さんだ。



作業中の安全を確保するために、かなりの装甲も容易されているらしい。



エーソンさん曰く、これならマグマに落ちても外装は無事だとのことだ。



肝心の中身がたすかってねえ。



まあ、いいや。

あと飛び込まんからな。

マグマには。



で、そんな魔道鎧は寸法は僕に合わせて作ってある。

早速着てみる。



おっもい!

すごく重い!



お!でも魔道鎧が起動したら軽くなった!



おお!すごい!

試しにこの前腰をいためた岩を持ってみたけど、綿飴みたいに軽く感じる!



すごいや!



え?ただ魔力効率がひどすぎて村以外では使えない、ですか?



いえいえ、それだけでもすごいですよ。

それにものすごく可能性も感じます。



「ちなみに火炎放射をつけたタイプもつくったよ」



へ?



エーソンさん?



何作ってるんですか!?

火炎放射!?



どこで使うんですか!?

でもかっこいいだろ?



いや確かにかっこいいのは否定しませんけど、戦う用ではないですからね。



・・・そのうち空まで飛ばしそうで怖い。



エーソンさん、思ったより魔道鎧のこと気に入ってくれているみたいです。



これ自動化したら代わりにいどうしてくれんじゃん!

とウキウキで得体のしれない二号機も開発しているみたいです。



うん。見なかったことにしておきましょう。



ちなみに真面目な話をすると、魔道鎧はかなり拡張性があるとのことだ。



僕のように作業用として使ってもいいし、エーソンさんのように武装を取り付けることもできる。



ある意味このなんにでも使える、というのが魔道鎧の強みであることは間違いなしだ。



今はまだたくさん作れないし運用もできないけれど、これから改良がすすめば、いずれ1人に一台魔道鎧!という時代も訪れるのかもしれない。



そんな未来を創造しつつ、僕は新たな力をもって作業を続けるのであった。



数週間後。



「みてみてタクマ。2号機。勝手に動いてくれるの」



目の前にはタコの足みたいなものを生やしたエーソンさんがいた。

どうやら背中につけたタコの足はエーソンさんの思考を読み、自動で動いてくれるらしい。



しかもかなり精密に動くようで、自分の手の届かないところのモノをとるにはうってつけなのだとか。



これでトイレまで歩かなくていいし、ベッドから転げ落ちなくてもすむと、自慢げに紹介してくれた。



うん。



絶対それ以上の使い道あるだろ!



運用間違えてるってぜったいいいいいい!

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