第31話 めんどくさがり魔法使い
工房主の女の子魔法使い。
名前はエーソンと言うらしい。
正直、第一印象はこの子、大丈夫なのかな?という不安だ。
特に健康面、
以上にガリガリな手足に、大きな目の下のクマ、
お風呂もしばらくはいっていないのか服も髪も
ぼさぼざになっていた。
ほんとうに大丈夫なのかな?
このままだと死んでしまいそうな気がした。
「あなたがエーソンね。聞いたわ。優秀な魔法使いだって
どうして返事もなにもしないわけ?」
「返事、ダルい」
「な!」
サラさんの言葉にエーソンさんはけだるげに答えた。
そしていろいろ話していくうちに、彼女がとんでもない
めんどくさがりだということがわかってきた。
お風呂に入るのも、食事を取るのも、
トイレに行くのも面倒くさいらしい。
何かの病気かとも思ったが、
そうではなく、昔からの性格だそうだ。
そして入り口のインターホンも、いちいち
扉まで出て行くのが面倒くさいから作ったとのことだった。
・・・使えてないけど。
サラさんと顔を見合わせる。
どうしようか?
サラさん曰く実力は申し分にだろう
とのことだった。
インターホンのような道具も彼女が
作ったのだ。
確かに実力はおりがみつきだ。
そして村の発展のためにもものすごく
必要な技術でもある。
そして犯罪歴もない。
秘密なども積極的に広げる
タイプではないからOKだ。
でも性格が大問題だよ。
この子を村に連れていったとしてもきちんと
仕事をこなしてくれるのだろうか?
でも他に候補がいるわけでもないし、
僕達が提示する条件では彼女以上の
人材を手に入れるのは難しいだろう。
・・・・・・うん。
考えていても始まらないな。
当たって、砕けてみるしかない。
「エーソンさん。うちにきてもらえませんか?」
そういって思い切って賢者の石を見せる。
これは大きな賭けだった。
「え!?コイツにするの!?」
当然、サラさんには驚かれる。
でもこの人は絶対に必要だと思う。
だからリスクをとる価値はある。
なんとかサラさんを説得した。
そして肝心のエーソンさんも賢者の石をみると、はピクリと眉を動かしてくれる。
食いついた。
「来てもらえれば、この石の力をあなたに共有します。
それであなに、あなたの望む生活ができる道具をつくってもらいたい」
そういうとエーソンさんはしばらく黙っていたが、
小さな声で三食昼寝付き?と聞いてきた。
おやつもつけますし強制もしませんと返答する。
エーサンは手のひらをグッドのマークに変える。
どうやら交渉成立のようだ。
新しい魔法使いが仲間になった。
とても個性豊だけどね。
そしてサラさんにはため息をつかれながら
「世話は自分でやりなさいよ?」
と言われてしまった。
はい。頑張ります。
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