第22話 大金と村内投資と青空教室

鉱物を売ったらたくさんのお金が手に入った。

これでこの村も大金持ちだ!うはは!



と大笑いしたいところだが、そうもいかない。

現状お金が手には入っているのはワームくんがとって

くれている鉱物のおかげだ。



そして鉱物は無限じゃない。

かならずいつか尽きてしまう。



お芋のほうもあるけれど、

ただお芋単品を売るだけだと収益は

たかがしれている。



何が言いたいかといえば、このお金は

贅沢品などに使うのではなくて、

ちゃんとこれからも村がお金を稼げるような

何かを作るために使いたい、という話なわけだ。



まあ、鉱石も掘り始めたばかりだから、

そんな今すぐに危機が訪れるわけじゃないけどね。



夏休みの宿題みたいなものだ。

毎日少しずつやっておけば、

最終日に焦らなくてすむ。



ゆっくり、のんびり、

でも着実にやっていこう。



そんな事を村長と

サラさんに話すと、二人とも

僕の考えに賛同してくれた。



そして三人でいろいろ考えたけっか、

村の人達に魔法を教えるのはどうか、

という結論にいたった。



どういうことかといえば、今、

この村には僕がいて、僕が許可をすれば

賢者の石からの魔力の無限供給が受けられる。



そんな魔力が使い放題な環境で

魔法を教えることができれば、

もし賢者の石の効果がなくなったとしても、

十分活躍できる魔法使いを生み出せるのでは

ないかということだ。



個人的には良い提案だと思った。



ただ問題はこの村に魔法が使える子が

いるかどうかという点だ。



サラさんは見極めることが出来るらしいので、

とりあえず彼女に見分けをお願いした。



まあ、この政策が失敗したら、

それを糧にして新しいことをすればいい。



間違いを恐れずに進んで行こう。



さっそくサラさんに適性があるかどうかを見て貰うと

3人見つかった。



一人はなんとラナちゃんだった。

そして残りの二人も子どもだ。



どうやら子どものうちから訓練しておかないと、

どんどん適性がなくなっていくのだとか。



恐ろしいモノだね。



ちなみに僕にも適性はなかった。

僕の場合は召喚術に体が特化させられすぎていて、

他の魔法を使う余力がないのだとか。



言われた時はちょっと悲しかった。

サラさんみたいに炎とかだせたらかっこいいな~

と憧れていたからね。



と、そんな僕の感想は置いておいて、

とりあえずラナちゃんに事情を説明して、

お手伝いをしてもらえるかお願いする。



そうしたらラナちゃんは快く引き受けてくれた。

逆に早く学んでみたいと大はしゃぎだ。




そうしてこの村にはじめて

学校というモノが開かれるのであった。



天井も机もない青空教室だけれどね。

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