第2話:駒子はすっかり舞妓はん。

今では駒子はすっかり舞妓はんしてる。


「豆駒、大丈夫?無理してない?」


「おおきに・・・あんじょういってますえ♡」

「あかん時やと感じても、俊介はんがいてくれはるさかい心強うおます・・・

せやから大丈夫なことしか起きまへん」


「すっかり舞妓さん言葉だね」


「へい、たとえ俊介はんの前でもちゃんと使ってへんとあかんのどす」


「そうか・・・そうだよね」


「最近忙しい?・・・僕もお座敷に遊びに行きたいって思うけど僕は豆駒

とは商売がらみでは会いたくないんだ」

「豆駒の時の君も好きだけど、そうじゃない時の君も大好きだからね・・・

たとえ会える時間が少なくても君は僕の愛しい人だから・・・」


「嬉しおす・・・」

「お休みは少ないですけど、こうして会えることが、うちの生きがいに

なってるんどすえ」

「いつかて、うちの主人公はあんたはんどす♡」


「他の人のために自分の人生を生きてるわけちゃいますえ」

「うちには俊介はんしかいてしまへんし、俊介はんといてると、うちの気持ちが

ほっこり あったこぉ〜なるんどす」


「俊介はん、うちが二十歳になるまで待っておくれやすな」

「それまで、わがまま言うてかんにんどすえ・・・」

「舞妓はんから身を引いたら、したら、うち俊介さんだけ大切にしますよって」

「あんたはんは私の憧れの人で私の未来なんどすさかい♡」


そんな嬉しいこと言われたら僕は何百年でも待つよ。


舞妓はんが自分の彼女って・・・考えてみたらすごいことだよね。

自慢して回りたいくらい。


普通なら自分の夢を叶えるため男は邪魔になったりする女性もいたりする。


たとえばアイドルとか・・・彼氏なんかいることが世間に発覚したらそれは

大変なスキャンダルだろうからね?


それはきっと舞妓はんも同じ。


だから駒子から別れてって言われたって不思議じゃないんだけど、豆駒は

偉い・・・そこは両方ちゃんと両立させてる。


それも豆駒の小さなことにはこだわらない天真爛漫な性格から来てる

んだろう。

たぶん僕のことが祇園界隈に知れ渡ったら豆駒はきっと駒子に戻るだろう。

僕と舞妓、どっちを取るっていったら迷わず僕だと信じてる。


今のところは豆駒とは順風満帆な日々を送れている。

このまま豆駒が二十歳を迎えるまで月日が経つのを我慢で待てばいい。


豆駒も客からの人気が高く引っ張りだこで忙しく日々を過ごしているようだし

いいことだ。


ちなみに豆駒は、お呼ばれしたお座敷で客が殺されると言う事件に遭遇した

さい、以外な能力を発揮して事件を解決している。

豆駒のその才能を僕は中学の頃から薄々気づいていた。


豆駒は売れっ子の舞妓はんばかりじゃなく、祇園界隈では名探偵としても

その名が通っている。


そんな名探偵で、はんなり舞妓はん「豆駒」が僕の恋人なんて自慢でもある。


つづく。

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