道ばたに落ちていたもの

鷹橋

本編

 葬儀屋という仕事には、休みが少ない。

 今日も土曜日ではあるが、出社している。そのために道を早歩き。

 歩道を優先的に歩く。安全だ。

 横を見る。車道の真ん中に何かが見えた。棒状のものだった。

「なんだ? 白いもの?」

 本音で語るが、同僚連中は火葬場でご遺骨を見るのもいやらしい。私は大丈夫。

 あれはなにかの骨か?

 興味を持って近づいていく。

 無論、この時間なら交通量が少ない。通い慣れた道だ。車はあまり来ないだろう。

 近づく。凝視する。

「……」

 わからない——。

 その白い何かを触るか、戸惑った。

 興味が勝って拾い上げる。さわり心地はある程度は堅い。

 またよく観察する。繊維質的には骨かもしれない。わからない。

 それにしては軽かった。

「なんだ? これ?」

 よく見る。じっとそこで立ち止まりながら。

「わからん。持ち帰っていいものかもわからん」

 私は悩む。考え込んでいた。

 悪い癖だ。

 後ろから猛スピードで走ってきたトラックには気づかなかった。

 

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道ばたに落ちていたもの 鷹橋 @whiterlycoris

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