第115話 観覧車デート

 千鶴と観覧車に乗っていた。


「千鶴さん、景色はとってもきれいだね」


「そうだね。二人きりで見る景色は最高だね」


 君はもっときれいだ、千鶴を見ていると、そのように思えた。


 顔を眺めていると、千鶴は顔を赤らめていた。


「勝君、じろじろとどうしたの?」


「な、なんでもないよ・・・・・・」


 千鶴の着ている服を、水着に脳内変換してみる。ほどよい体つきは、男の脳にたくさんの栄養を与えるはず。


 いやらしい思考をしていると、千鶴から予想外の質問が投げかけられた。 


「みずほさんの胸はどうだったの?」


「千鶴さん、そのことをどうして?」


「みずほさんから、デートの詳細を聞いたんだよ。好きな人がどんなことをしたのかは、気になるでしょう」


「あの、その・・・・・・」


 千鶴は前のめりになった。


「一回きりのチャンスなんだから、胸、おしりを存分に触っておいたほうがよかったんじゃない。次回にやろうと思っても、絶対にできないんだから」


「そ、それは・・・・・・」


「遠慮するところは、勝君らしいかな」


 千鶴は膝枕の体勢を作った。


「疲れているみたいだし、膝枕でくつろいでよ」


 本能の赴くままに、頭を預けることにした。


「正直になれれば、さらに素敵になれるよ」


「そ、そうかな・・・・・・」


「うん。素直な感じがにじみ出てる」


「あ、ありがとう・・・・・・」


 膝枕で横になりながら、空を見つめてみる。青い空はいつも以上に、きれいに映し出されていた。

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