第3話 初めての街
「ねえゴリッピー。この森を抜けるにはどこに進んだらいいと思う?」
「ウホッ? ウー…ホッ!」
「あっちか!ならあっちに行こう!」
「ウホッ ホッホッ」
「え?運んでくれるの?僕1人で歩けるから大丈夫だよ」
「ウッホホウ」
「ゴリッピーが運んだ方が早く森を抜けれるって?うーん、確かに森は早く抜けたいしそれなら運んでもらおうかな」
「ウッホ ウッホ ウッホ」
はっや!?ゴリラってこんなに速かったの?片手で僕を抱えているのに全然揺れを感じないしすごいなぁゴリッピーは。
この新鮮な体験を楽しんでいたらいつのまにか森を抜けたようだ。
お!街だ!
整備された道を見つけたからそこを進んでいると高い壁に囲われた街を見つけた。街に入るのに関門があるようで何人かが並んでいたので僕たちもそこに並ぼうとすると
「おい!止まれ!なんだその魔物は!何の理由でここに来た!」
衛兵そんらしき人に槍を突きつけられてしまった。それもそうか、ゴリッピーなんて魔物が他にいるとも思えないし、最初にゴリッピーを見たら怖いと感じてしまうのだろう。よく見るとかっこいいんだけどね?
「ウホッ」
「村をでてきたんです。そこで街を見つけたから入ろうかなって思って来ました。この子は僕の従魔?です。僕に危害を加えなければ何もしません」
しないよね?ゴリッピーは いたいけな8歳児を優しく扱ってくれる紳士だからね。
「そ、そうか。従魔と証明できるものや身分証はあるか?」
「何も持ってないです」
「そうか。村から出てきたと言ったしそりゃ持っていないか。ならばこの紐をどこでもいいから従魔に付けてくれ。それが従魔の証明となる。身分証ごないとなると、どこの村から来たか分かるか?」
「うーん。村の名前は分からないです。ただあの森を抜けてきました。ゴリッピーこの紐を付けなきゃいけないんだけどどこがいい?」
「ウッホ」
右腕らしい。
「そうか。結構大変な旅をしてきたのだな…」
なんだか同情されたと思ったら、貧しい家庭ではスキルが良いものでない場合、数減らしで子供を追い出すことがまああるそうだ。
まさかスキル無しだとは思っていないだろうけどね!
「とりあえず未成年の子供は入るのに金はかからないが、中に入って問題を起こしたら奴隷になるから気をつけな。魔獣の責任も飼い主の責任になるからな」
「ありがとうお兄さん!それと冒険者になる為にはどうすればいいの?」
「なんだ坊主、冒険者になりたいのか?なら冒険者ギルドに行きな。真っ直ぐ行くとでかい建物があるから分かりやすいはずだ。あと冒険者としてやっていくのが無理ならどっかの店に雇ってもらえ。真面目に働く子供なら雇ってくれるところは多いはずだ。」
最初に同情してくれた時も思ったが子供が好きなのかな?
「ありがとう!」
さあこの世界に来て初めての街だ。それにしてもすごいジロジロと見られるな。今は自分で歩いているが密着するくらいのすぐ後ろにゴリッピーがいるからね。そりゃ目立つか。
とりあえず冒険者なってその後のことは…気分で決めよう!
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