17話

 

 カルタロスはヨハネスを抱えたまま、魔力探知にてコンパス・シルクライナがいるであろう場所を特定し、奥にある部屋に到着する。そして、片手にてノックをするカルタロス。すると


【コンパス・シルクライナ】 「煩いな、今は取り込み中だ馬鹿野郎!!後にしろよ」


 そう聞こえ、中から女性の悲鳴が聞こえ


【女性】 「痛い痛い、痛いのはもうやだ!」


 と。カルタロスは部屋を蹴り飛ばし中に入ると拘束具にて拘束され今まさにコンパス・シルクライナが手に短剣を持っておりその先端が赤く燃えており裸の女性にそれを当てようとしていた。


【コンパス・シルクライナ】 「ふざけるな、誰だドアをぶち壊し入っ、てきたの、って貴方様は!!」


 カルタロスの顔を見るなり怯え始め、手に持っていた短剣を空間にしまい


【コンパス・シルクライナ】 「カルタロス様‥これは違うのです!!この者が他の集落にここの情報を密告していた為にその情報を聞き出す為に拷問しようとしていただけです」


【女性】 「助け」


【コンパス・シルクライナ】 「黙れ!!」


 そう言い女の顔を殴打した。それを見たカルタロスは


【カルタロス】 「コンパス、いささかそれはやり過ぎではないかな?本当にその女性が密告したのか?それに、このカルタと言う女性をムチで打ったの何故かな?それにお前はこの集落を任されたのにその任を真当してないだろ?返答しだいでは殺すよ?」


 と部屋に濃密な魔力が満ち溢れ、カルタ、コンパス・シルクライナ、女はそれぞれ


【カルタ】 (何、この魔力‥声が出せないし‥動けない)


【女性】 (ひぃぃ、殺される‥)


【コンパス・シルクライナ】 「カルタロス様それは、それは」


【カルタロ】 「それは何?早く答えろコンパス・シルクライナ」


【コンパス・シルクライナ】 「‥本当の事を話せば私は殺されませんか?」


【カルタロス】 「話してみろ!!」


【コンパス・シルクライナ】 「私は‥この集落を魔王様から確かに任されました。けど‥魔王様から任したとしか言われてません。だから私が好きな様に支配したのです。それに‥この様な場所など必要ないでしょう?勇者達と戦う事もなく、平和に暮らしてるこんな魔族共。だから、私は女どもをもて遊び、俺に逆らう奴は殺しました。これの何処が悪いのです?私は魔王様の指示は破ってなどいません。それでもこの私を殺すのですか?」


【カルタロス】 「成る程‥自分の都合で集落の人たちを好きにしたそう言う事か。僕は、魔王様からお前を殺しても言い許可を貰ってる。最後に聞くが、お前はこのやり方を変える気はないのか?」


【コンパス・シルクライナ】 「ないね。私はこのやり方を変えるなんて事はしない。カルタロス様、貴方にも女どもを差し出しますから、好きな様に使って貰っても結構です。賄賂と言うものです。それでどうか私を殺すのをやめてもらいたいのです」


【カルタロス】 「コンパス・シルクライナ、お前をここで排除する。そして、ここの集落には俺の配下を配属させる」


【コンパス・シルクライナ】 「ふざけるな!!俺の楽園を渡すわけにはいかない!!それにお前は既に詰んでんだよ!!そこにいるんだろこいつを殺せ」


 そう言い放つも、何も起こらず


【コンパス・シルクライナ】 「どうした、何故現れてこいつを殺さない」


【カルタロス】 「愚かでしかないな。お前は先程の戦いを何も感じなかったのか?こいつの事を言ってるんだろ」


 そう言うと、空間から先程ヨハネスが殺した男の首をコンパス・シルクライナに投げる。


【コンパス・シルクライナ】 「馬鹿な?戦っていただと?俺が気付けなかった?」


 そう言うと、気絶していたヨハネスが目を覚ましており


【ヨハネス】 「戦う前に‥遮断の結界を貼りましたから気づかなかったのですよ。けれど、それに気が付かないのね」


【カルタロス】「そう言う事だ。諦めろ!!それと‥ヨハネス、僕が気絶から目覚めてた事を知らないとでも思いました?何故僕に抱えられたままなのか理由を後ほど聞きましょうね」


【ヨハネス】 「ふぇ?カルタロス様?それは‥違うの!!」


【カルタロス】 「後ほど聞くと言いましたよヨハネス?」


【ヨハネス】 「‥はい申し訳ありません。」


【カルタロス】 「さてと、コンパス・シルクライナ。最後に言い残す事はあるか?」


【コンパス・シルクライナ】 「ふざけるな!!言い残す事なんてない!!お前らを殺せばいいだけの事だ!!」


 そう言い角が2本生え翼が2本生え、尻尾も生え魔力が溢れ出した。そしてコンパス・シルクライナは空間から、斧を取り出し一瞬でカルタの目の前に現れ殺そうとし


【コンパス・シルクライナ】 「この女を先に殺す!!」


【カルタ】 「えっ?」


 と目の前に現れたコンパス・シルクライナの斧が眼前に迫るも、それをカルタロスは一瞬で指2本で受け止め


【カルタロス】 「分かってたよ、お前がカルタを狙うなど。」


【コンパス・シルクライナ】 「有り得ね!!お前はまだ魔族化してないのに俺の全力の攻撃を指2本で受け止めた?それに、ビクともしね」


 そう言い斧を離して距離をとる。カルタロスはその斧を指2本の力で砕き


【カルタロス】 「カルタ済まないね。怖い想いをさせた」


【カルタ】「大丈夫です‥ご主人様」


 それを聞いたヨハネスは


【ヨハネス】 「ご主人様?どういう事?カルタロス様それはどういう事ですか?私が気絶してる間に何があったのです」


【カルタロス】 「さてな。それよりもヨハネス降ろすぞ」


 そう言いヨハネスを降ろし、次の瞬間にはカルタロスの姿はなく、コンパス・シルクライナのお腹にカルタロスの腕が貫通しており、


【コンパス・シルクライナ】 「ば、かな‥見えなかった‥俺の、パラ、ダイスが‥‥‥」


 そう言いカルタロスは腕を引き抜くと、コンパス・シルクライナは絶命したのだった。

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