第8話

 とある場所の川の近くで意識を失っている女性を発見したカエルの顔した者が発見し


【カエル】 「珍しいケロなこんな場所に。それにこの子みた事があるケロよ?どこでみたケロかな?とりあえず、家に運ぶケロよ」


 カエルの顔した者は女性を片腕で抱え、もう片方の手で釣り竿と大量の魚が入った籠を抱えながら家に向かうのであった。


【女性】 「母様、母様、母様、いや、いや、いや、いやぁぁぁぁぁ!!!!!」


 と叫び、その場から目を覚まし


【女性】 「夢???‥違う‥あれは本当に起きた事。母様、母様、死んでないよね?」


 グルグル、と部屋にお腹の音が鳴り響き


【女性】 「‥お腹空いた。ってそれよりもここは何処??はやく母様達のいる場所に帰らないと」


 立ち上がり、部屋から出ようとすると部屋のドアが開きカエルの顔をした人物が入ってきて


【カエル】 「目が覚めたケロか?酷くうなされておったケロよ。とりあえず、汗で濡れた服を着替えないと風引くケロよ。服を渡すケロから着替えてご飯にしようケロか」


 とカエルは服を女性に渡す。


【女性】 「‥あの、着替えるのはいいのですが‥」


【カエル】 「どうしたケロ?何か問題でもあるケロか?」


【女性】 「‥私、女の子です。男の人の前では着替えれないです‥」


【カエル】 「すまないケロよ。軍、いいや何でもないケロよ。少し外に出てるから着替えたら出て来るケロよ。晩御飯は魚の丸焼きケロよ」


 といい部屋から出て行くカエルの顔した人物。残された女性は服を取り


【女性】 「本当に凄い汗‥それよりもカエルの顔をした人物なんて始めてみたわ‥。それにこの服って誰の者なのかしら?何だか母様の匂いがするけど気のせいかな‥」


 部屋の外で待機しているカエルの人物は腕を組み真剣な表情のまま小声で


【カエル】 「やはりアルガナの言ってた子かケロよ。何かあればここに転移させると言ってたケロが、まさか本当に転移させてくるなんてケロよ。」


 といいその場を離れるカエルの顔をした人物だった。そして、着替え終わった女性は部屋から出ると魚の焼ける匂いがするためにその匂いのする方向かい、外に出ると焚き火にて魚を焼いているカエルの人物が目に入り


【女性】 「あの、着替え終わりました!!」


【カエル】 「そうケロか。ならご飯にするケロよ。けどその前にオイラの名前はカエルだケロよ」


【女性】 (えっ?カエルの顔をした人の名前がカエル?私はからかわれてる?)


 と戸惑っていると


【カエル】 「その戸惑ってる感じはオイラの名前を疑ってるなケロ?本当にカエルだケロよ!!」


【女性】 「あっ、ごめんなさい。私は、ヨネですよろしくお願いします。それとここは何処なのでしょうか?」


【カエル】 「ヨネ、ケロねよろしくケロよ!!ここは風舞う小大国の風の里だケロよ。」


【ヨネ】 「知らない場所‥。カエルさん、私は名もなき地という場所に帰りたいのです。ここからどうやって帰ればいいのでしょうか?」


【カエル】 「無理じゃな。その場所にはここからお主の足なら半年はかかるケロよ。それにお主の実力ならここから出て行っても魔物や盗賊達に殺される、又は奴隷にされ2日も持たんケロよ。諦めるケロよ」


【ヨネ】 「そんな‥。」


【カエル】 「そんなにそこに行きたいケロか??」


【ヨネ】 「行きたいです。母様が、そこにいるの。はやく行かないと死んでしまうです」


【カエル】 (この感じては何やら大変な事が起こったケロな。)「ヨネ、何が起こったのか話すケロよ」


 ヨネは何が起こったのかを泣くのを我慢し全てカエルに伝える


【カエル】 「そうかケロ。ヨネ、悪いことは言わん行くのは辞めておくケロよ」


【ヨネ】 「‥」


【カエル】 「母親は、死んでるかもしれないんだぞ?それでもそこに行きたいケロか?」


【ヨネ】 「かあざまは死んでないもん。じんでない‥じんで、じんでなんが、うぅぅわぁぁあぁあぁあーーーーー」


【カエル】 「ヨネ、お前はまだ若いケロ。今はとてもとても辛いかもしれないが母親が、そして長がお前をここに転移させたのにはきっと意味があるケロ。今は泣けるだけ泣き、そして自分に必要な事を考えるケロ。オイラは何時まででも面倒見てやるケロよ」



 一方でその頃、魔王城のハクビのいる場所では


【ひばな】 「ハクビお父様!申し訳ありません」


【ハクビ】 「ひばな、余を呼ぶときは魔王様と呼べと言ってるじゃんかよ?お仕置き部屋にまた入るか?」


 その言葉を聞き震えながら


【ひばな】 「まま魔王様‥それだけは許してください」


【ハクビ】 「分かれば良いんだ。それで、裏切り者と連れさらわれた奴はどうなってるじゃん?」


【ひばな】 「‥裏切り者は辛うじて殺すことが出来ましたが‥連れさらわれた妹は何処かに魔法で転移させられました」


【ハクビ】 「ふん〜。妹には逃げられたと言うのか?」


【ひばな】 「ごめんなさい‥」


【ハクビ】 「お前はこのハクビ様の子やぞ?何逃げられとんねん?やっぱりお仕置き部屋にコイツを連れて行け」


【ひばな】 「お父様いやだ!!何で、私はちゃんと裏切り者は殺したんだよ?妹には逃げられただけ」


【ハクビ】 「はぁ、それがだめなんや。お前とはもう話すことはない。お仕置き部屋に2週間放り込んでおけ」


 周りにいた魔族2人がはなびの両脇をかかえ


【ひばな】 「お父様、お父様、ヤダ、ヤダ、ヤダ!!アソコには行きたくないの!!!もう失敗しないから許して!いやだ、いやだ!!!!離して、離して、痛いのいやだ!!!お父様、お父様」


 と叫ぶも子供の力と魔法でもびくともしない魔族2人はひばなをそのまま何処かに連れて行く。


【ハクビ】 「さてと、どうしたものや‥俺はこれから忙しいというのにの。けど、何も力もないガキが逃げた所で何も変わらん。今は人間界を滅ぼす為の準備が忙しいからの」


 といいハクビは姿を消し、魔王城でははなびの叫び声が響き渡るのであった。

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