第11話 僚・機・発・注
複数箇所で矢継ぎ早に、それこそ同時に複数体(※魔法少女達は『
なお、これはあくまで我が国に限ったパターンである。
いち早く『魔法』ならびに『魔法少女』という対抗手段を得るに至った、創作や創造や想像が盛んであった我が国。
こと『イメージする力』『現象を思い描く力』に関しては、それらを開花させるための下地が整っていた、ということなのだろうか。知らんけど。
また……他国は他国で、どうにかこうにか独自施策で対応しているらしい。
『
日本国以外、武力や軍を備えている諸外国では、彼らが日頃の訓練成果を遺憾なく発揮してくれているらしい。……知らんけど。
……さすがに私とて、地球全体をカバーするほどの熱意もキャパシティも在りはしない。
この国の『
見た目は少女とはいえ、その気になればヘリだろうと戦車だろうと葬れる存在なのだ。他所の国土で武力なんぞ行使した日には、それこそ国家間での殴り合いが始まりかねない。
というかそもそも、さすがに日本語が通じない地域でのコミュニケーションは無理だ。
まぁ、そんな事情があったりして。
ほぼ24時間営業、まる一日働き詰めの日があったと思えば、平和でしかない一ヶ月があったりもしたりして。
そんな『オフの日(※仕事が無いと断定されてはいない)』の今日現在、私はここ最近の滞在拠点である
その目的とは勿論、スーに頼んでおいた
『歓迎。本艦『スー・デスタ10294』メインファクトリーへようこそ、艦長ニグ』
「あぁ。『できた』って言ってたろ。例のブツを見に来た」
『了解。惑星地球原生知的生物型地表探査機【MODEL-Οδ-ARS-D】、機体構築は完了しております。搬出が可能です』
「まだ
『肯定。フォニアルデータストリームより抽出された惑星地球関連諸情報および現在状況の先行入力は完了済となりますが、管制人格の構築は未だ開始されておりません』
「解った。それでいい、頼む」
『了解。搬送ターミナル004、ランウェイデルタよりオメガへ移動を開始致します。ランウェイデルタよりオメガ、当該区域周辺の作業中知類は退避して下さい』
艦内ネットワークを介して誘導が表示され、私はスーから指示された位置にて暫しの待機を行う。
間もなくけたたましい警告音と共に『様々な配管や配線が繋げられた棺桶のようなもの』が、滑るように私の目の前へと搬送されて来る。
スーからの報告を聞く限りでは……恐らくこの中に、私と同型の地表探査機が納められているのだろう。
『報告。培養治具内気密充填解除。天面ハッチ開放致します』
黄み掛かった白い煙を漏らしながら『棺桶の蓋』が跳ね上がっていき、薄っすらと残る靄の中にその艷姿が露わとなる。
呼吸もせず、鼓動も無く、目を見開き、身じろぎ一つしないその姿は、まるで死体のようである。……まぁ『命を宿していない抜け殻の身体』という意味では、確かにその通りなのだろうが。
特殊表面処理を施した微細特殊金属繊維の束である長い銀髪、その中に隠された二対四本の金属触手、虹彩の代わりに
ただ、まぁ…………製造に際しての細部はスーに『色々と』任せたっきりだったので、機体仕様の全てを確認しておかなかった私に非があるのだろうが。
『解説。昨今の戦況に鑑み、試製モデル【MODEL-Οδ-ARS】よりも更に高度な複合情報通信機構搭載の必要性が、当艦管制思考内統合戦略マトリクスより提示されました。それに伴う通信性能強化施策の一端として、超高精度な空間走査を可能とする高感度複合多目的レーダーおよび保護用
「は、はい」
『提案。以上の設計仕様変更に伴い、当該機体を【MODEL-Οδ-ARS-D】型と分類、派生型・別機体としての製造情報保存を推奨致します』
「あ、良いと思います」
完成したばかりの新造機体、スー曰くの新型地表探査機【MODEL-Οδ-ARS-D】型。
その外観は……私と同様に小柄な全高であるにもかかわらず、胸部には全高比で非常に
…………いや、別に何も羨ましくは無いが。
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