コロネちゃんとバッファローの大群。(勇者一行の魔王討伐の為)

亀岡たわ太

第1話 コロネちゃん! やっちゃって!!

 俺は驚いた。この状況は何だ??!!


 そこには少女がいた。倒れていて震えている。しかし、少女は無事なようだ。部屋の中。男が一人倒れている。勇者マイクだ。勇者マイクは瓶を頭にぶっかけられており。周りに瓶の破片が飛び散っている。瓶で殴られたようだ。


 俺はハッキンダイマー。勇者マイク一行の雑用係をしている。言わばマイクのパシリだ。いつものように勇者一行の日用品を買い出しに街へ出て。帰ってきてみればマイクの部屋から少女の悲鳴、そして瓶の割れる音。


 俺は推理した。勇者マイクは少女を襲おうとして逆に反撃されてお陀仏古仏。まあ、酒も入ってたみたいだしな。勇者マイクも勇者とはいえそんな人格者でもなかったしなあ。


 俺もこんな事が無ければ。一般的なザマァ系を夢見てたんだがなあ。勇者一行と最後の街でザマァされて追放。その後辺境の田舎でのんびり生活を。俺ハッキンダイマーはおっさんだ。


 それが何だ??!! 魔王討伐の為。魔王城の最寄りの最後の街で勇者マイクは昇天。あと数秒で転送。転送したら始まりの街からペナルティレベル半減で移動しなきゃならない。この世界は移動魔法はほとんどなく、最後の街まで着くのに始まりの街から半年はかかる。


 どうすんだよ??!! これ!!??


 ここは最後の街アリアケ。


 勇者マイクは昇天された。残ったのは勇者パーティと雑用係の俺と少女。


 少女は何か言いたげだった。事の重大さよりものほほんとしている少女に俺は安堵していた。俺は


「何も言うな。分かってるから。」


「でも、あいつが。」


「分かってるから……。そういや嬢ちゃん髪金髪だな。」


「それは……。」


 ふうむ。勇者マイクも髪の毛金髪だったし。!!ッ。そういう事か!!


「よし!! いいぞ!! そういう事か!!」


「どうしたの?? おじちゃん??」


「いい事思いついたんだ!! これならいけるぞ!!」




 次の日。最後の街は勇者一行の到着で宴があり一行は飲んだくれてた。勇者の犯行はその深夜だった。雑用係の俺とフードを着た金髪は一行に合流した。


 女魔法使いアリサはフードの金髪によってたかった。


「マイクさぁ、昨日私と寝てくれる言ったじゃ無い!! どうして来て来れなかったの??!! 待ってたのに!!」


 フードを着た金髪は


「………………。」


 喋らない。


 俺は言った。


「勇者マイクさんは昨日酒に酔って疲れて寝てたんだそうだ。」


 アリサは食い下がる。


「あんたには聞いてない。マイクぅ。魔王を倒したら私と結婚してくれるの??」


フードの金髪は


「………………。」


 喋らない。


 俺は慌てた。


「アリサ様。マイクさんは魔王討伐の為緊張してるんですよ。」


「へえ。」


 薄々勘づいたアリサ。そして勇者一行。問い詰められそうになった所でフードの金髪が


「ダーーーーーーーーーーーーッ!!!!」


 金髪少女コロネがフードを脱いだ!!


「ああーーーー!! こいつっ!!!! 知ってる!!」


 アリサは言った。あれ??!! 俺の考えてる反応と違うけど。


「そう!! あたしは女神アフロディーテの1番弟子コロネ!! 弟子って事は1番姉妹!! いわゆる百合ッ!!」


 アリサは驚きつつも怒りの感情を出す!!


「勇者マイクをどうしたのよ!! この百合ボケナスッ!!」


「あんな奴一回シメましたーーッ!! 私のお姉様にちょっかい出してハーレムだの何だのいうから一回転送しましたーッ!!」


「はあーーーああーーッ??!! それどういう事よッ!! これから魔王倒そうっていうのにッ!!!! バッカじゃないのッ!! 誰のせいで魔王討伐してると思ってるのッ!! 女神アフロディーテ様の啓示のせいでしょッ!!」


「それでも百合は優先されるのですッ!!」


「バッカじゃないのッッ!!」


 少女コロネと魔法使いアリサは頬を膨らませながら激しく罵り合う。俺も勇者一行もお手上げ。そしてコロネは言い出す!!


「バカはバカじゃ!! 魔王を倒せばいいんでしょ。倒して差し上げるわよッ! それブゥッフォッふぉーー!!」


 少女コロネはどこから取り出したか分からない角笛を吹き大地を揺らす。数秒後丘の奥から大群が来た。バッファローだッッ!!!! バッファローの大群だッッッ!!!!


「じゃっまたねッ!!」


「こらーッ!! 帰るなッ!!」 


 女神の眷属の力は凄い。この世界は移動手段馬車しかないのに亜空間ホールで帰るのな。


 魔法使いアリサの怒号とバッファローの木々を薙ぎ倒す音が地響きと共に襲ってくる。バッファローの群れは何万、何億となって地平線を埋め尽くす。


 バッファローはそのまま魔王城の城壁を壊し、城門を壊し、壁を壊して突き進む。


 魔王城は1時間で薙ぎ倒された。2時間で荒地になり3時間で更地になった。


 俺たち勇者パーティは丘の上からその光景をただ茫然と見守るしか出来なかった。


 これ魔王討伐は女神様に任せておけば良かったんじゃね??


 しばらくあと俺は程よく勇者パーティから追放された。




              終わり。


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コロネちゃんとバッファローの大群。(勇者一行の魔王討伐の為) 亀岡たわ太 @kameokatawata

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