勇者パーティから追い出されたので復讐して、さらに悪の帝王になろうと思う
光枝蛸焼
第一章〜英哲への復讐編〜 第一話パーティ追放
「おい!出てけ!お前なんか必要ねぇんだよ!スキルもろくなもんがねえだろ?」
言い返せない。
「お前と俺たちじゃレベルが違うんだよ!じゃあな!お前のことなんか明日には忘れてると思うけどな!」
そしてブヒャヒャヒャヒャとあいつら3人が笑う。
そして俺は『英哲の勇者』パーティから追い出された。
〜数日前〜
「なあ、お前ってさ、結局スキルなんなんだ?」
はぁ、流石にここまでか。今までスキルを言わないできたがここまでか。
「それって言わないといけないか?」
「あぁ。戦術とか考えないといけないしな。それに今度ダンジョン攻略を控えているからな」
言うしかないか……
「…………ントロール」
「は?もう一回言ってくんないか?」
「ドールコントロール」
「………プッ フフフ ハハハ お前はいつからジョークが得意になったんだ?ていうかドールコントロールて、なんで英哲の勇者にいるやつが人形使いのスキルなんだよ! おもしれー」
「本当です」
「えっ!」
「本当です」
「……他にスキルがあるとか?」
「それだけです」
「レベルは?」
「17です」
「………低いな」
「えぇまぁなんかすみません」
変な空気になってしまった。
俺の名前はライト・モスタンド、今話をしているのが英哲の勇者のパーティマスターである
コレスター・ミリディンス。ゴツゴツした体型に太い声。スキル「威圧」と「火炎攻撃耐性Ⅱ」を持っている。
レベルは48、HPは4800。魔力ホルダーは2500
普通に強い
それに比べて俺は、スキル「ドールコントロール」しか持っていない。
レベルは17、HPは1200。魔力ホルダーは500
弱いのだ。ちなみにだが、ドールコントロールというのは人形使いの能力で、人形の中に特殊な魔力チップを入れることによってその人形を操れるようになる。だが問題がある。
人形を操れるなら強いと思ったかもしれないが、大きさにもよるが30センチ以上の大きさじゃないと戦えない。
30センチの人形を1秒操るのに魔力を1。それなら問題ないが、戦うとなると人形一つではきついのだ。複数の人形を使うのであれば、使う魔力も多くなる。
それに戦うのに適したスキルではない。
それなのになぜ英哲の勇者パーティにいるのかというと………
「なあ頼むよ英哲の勇者に入ってくんないか。」
「いや。俺は弱いので」
「いいから」
「でも……」
「そんな弱くても大丈夫!」
「ええっと………」
ニコラス・スニチャーとエフェール・リチャー
この2人に話しかけられている。内容は英哲の勇者パーティに入ってくれということ。
自分は弱い。だから入りたくない。
「なぁ。黙っているっていうことは いいってことだよな」
「そういうことじゃね」
「えっちょっと待っ「決定だな」
こうして俺は勝手に英哲の勇者パーティに入れられたのである。
〜そして現在〜
勝手にパーティに入れられて、追い出された。なんなんだろうか。とても理不尽だ。
1ミリも思い出がないし全然関わってなかったけど無性にイラつく。
いつか見返してやりたい。そう思った。
そして俺は行くあてもないので今日寝れそうなところを探す。ギルドから少し離れたところにある宿屋に着いた。
ここの宿屋はギルドから少し離れたところにあってあまり客が来ない。
なので安いのだ。受付で一晩止めてもらえるように言い、背負っている鞄に中を見ると、なんと、この世界の通貨であるゴールドが入っている袋が消えている!どうしたものかとテンパっていたら「あのう」と声をかけられた後ろに人がいるなんて気づかなかった。そこにいたのは腰の曲がったおじいさんだった。
「お前さん。ゴールドがないんか?」
「えぇまぁはい。」
「一旦わしが払っておこう」
「いいんですか?」
「あぁ」
「ありがとうございます!」なんとも怪しいがおじいさんが払ってくれたおかげで今晩は野宿しなくてすみそうだ。
受付を出て階段を登る。おじいさんも階段だけど大丈夫なんだろうか。
「なあ、お前、弱いな」
おじいさんがいきなり言った。
「ちなみにお前のゴールドはここにあるぞ」
ほい。とおじいさんは懐から見覚えのある巾着袋を出した。
「ありがとうございます、ほんとに何度も…」
あれ?なんでおじいさんが持っているんだ?
「ククク ハッハッハー」
奇妙な笑い声と共におじいさんが暗い闇に包まれて中から王族のような格好をした青年が現れた。
王族というのは着る服が決まっておりその格好はどの国も同じで真ん中のところに国旗が描かれている違いだけだ。
だがこの男は全体的に黒い色をしていて、国旗が入っていない。
「俺の名は邪王イビル・サー・マーステット」
「マーステット……聞いたことがあるような…」
「お前に提案があるんだ。よく聞け。俺は邪王だ。とても強い。だが最近力が弱ってきていてな。理由は簡単魂を吸収してないからだ」
「ん?ということは俺を食べにきたってこと?」
「よく聞けと言っただろう。そこで俺はお前に力と俺の魂のカケラを預ける。そしてお前は魂を吸収してほしい。それだけだ。どうだ。こんなにも簡単に力が手に入るんだ。もちろん力は返さなくてもいい」
「どんな力ですか?」
「まずはお前の持っているスキルを邪流に進化する。」
「邪流って?」
「知らないのか?この世には通常の技である『清流』邪悪なエネルギーで清流を支配したもの『邪流』
そのどちらかに神々の御加護が着いたもの『神流』自分で考えたもの『我流』この4つの流派がある
お前のスキルはドールコントロールだったな」
なんで知っているんだろう?
「ドールコントロールは『邪流ソウルコントロール』に進化する」
「ソウルコントロール……強そうだな。」
「魂を吸収した相手の亡骸から魂をソウルホルダーに入れると、そこに入っている魂の亡骸を操れるようになる。」
「魔力チップを組み込まなくてもいいのか?」
「あぁ」
そりゃあ便利だな。
「次がソウルホルダーの追加だ。今、魔力ホルダーがあるだろう。それに似たようなもので『魂吸収』を使うとソウルホルダーに魂が溜まっていく。俺のところにあるソウルホルダーと連携されている。要は魂をたくさん集めてほしいんだ
ただし、相手のHPが0にならなければ吸収できない。だからもう一つ強いスキルをやろう。それは
『邪流メラ・ディスタント』黒い炎を飛ばす技だ。それと、お前のレベルを上げてやるよ。今は…17か。
ならば67、50レベル上げてやろう。」
50レベルも!すごい。それに強い技まで。
「本当にいいんですか?」
「ああ」
なんか都合が良すぎないか?それに思い出したことがある。
「あなたってこの国の初代王であり英雄のマーステットじゃないですか?」
その服装と名前を本で読んだことがある。
「ほう、よく気がついたな。そうだ。うーむ、そうだ。気づいた褒美にコイツをやろう『次元式収納』だ。それと、」
そう言って出したのはかっこいい剣だった。けど、刀身の半分から下が無く、割れ目から禍々しいものが溢れている。
「それは朽ちた英雄の剣だ。使い物にならないが持っておけ。」
「ありがとうございます」
結構重いんだな。それに、異様な雰囲気だ。
「それで、力がほしいのか?早くしてくれ。この体を維持するのも大変なんだ。」
「じゃあお願いします」
そういうと「まかせろ」と言ってマーステットは手の平を上にしてその上に力と邪気を集めた。
マーステットが暗い闇に包まれて闇が消えるとそこには宝石のように輝いている林檎を持った半透明なマーステット。
「さあお食べ。禁断の果実を、、、」
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