第19話 黒紫憧さんと4月の日々⑨
びびび、
いや、というかぼくか。侵入者は。
なんでだっけ。なにをしたかったんだっけ? 頭をはやく
「あ!」
思い出した。
そして部活動紹介の
それらを複合させて――――居るかなあ、ぼくのアドバイス?
だって、
見た目の魅力に、声音の柔らかさ。もしこんな人が体育館の壇上でちょっとでも勧誘をしてみなよ。先にどれだけ心ゆらす苦言をされてようとも、帳消しだよ。むしろ無かったことになるよ。そんなダレカレの失敗談。というか自業自得の過去話。
帳消し――。
帳消し……。
と考えて、ひとつ思いついた。いや、別になにもしなくていいんだけど。ぼくがここに来た理由は、たまたまお知り合いになった
でも、ぼくに関係なくても、そこで悲しむ人たちはきっと居るんだ。
だから面倒くさくても、ぼくが動くことですこしは変わる可能性があるなら、ちょっとは勇気だしてみようと思う。
「あ、あのさ。
そしてぼくが
それを聞いた
「うん。喜んで。やっぱり
嬉しそうに、ちょっと
そこで初めてぼくは、彼女の内面の魅力からも、頭に熱を帯びた気がする。
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