20240116 サーフ丼と今年の手帳

 晴れだけど、キーンと空気が冷たい。


 日記を書いていると、「好き」なことを発端に、どんな風に好きなのか、いつから好きなのか、好きになってどうなったのかとか、過去の自分を含めて色々な思いが交差してくる。

 それが楽しかったり醍醐味だったり、時には面倒になってしまうこともある。


 今日の夕食メニューは、豚の生姜焼き、キャベツの千切りとトマト、揚げ茄子、具沢山お味噌汁。

 大好きなパターンのひとつ。

 「大好き」の理由は、子供の頃に食べた「サーフ丼」にある。

 夏休みに行った海辺の定食屋さんで、他のみんなは刺身定食とかエビフライとか海鮮物を選んでいたのだけど、私だけ響きのカッコよさに惹かれて「サーフ丼」を注文した。

 要は、サーフボードに似た楕円形の器に、ご飯とキャベツの千切りと豚の生姜焼きを盛ったものだった。

 一口食べたらあまりの美味しさにびっくりして、あっという間に完食。

 食べきれるはずないと思っていた大人たちも驚くほどの早さだった。

 それからというもの、祖母にねだって頻繁にサーフ丼を作ってもらっていた。揚げ茄子と具沢山お味噌汁のおまけつきで。

 あの夏から、サーフ丼=豚の生姜焼きが大好きな一品になったわけだけど、大人になってレシピ本を見たら「豚の生姜焼き」には別の姿が存在していた。

 本では、5ミリ厚さ程のロース肉をその形のまま焼いたものを指し、サーフ丼に盛られていたのは「豚薄切り肉の生姜炒め」に属するということが判明。

 軽い青天の霹靂。

 祖母をはじめ、海辺の定食屋の店主でさえも薄切り肉を乗せて「生姜焼き丼」って説明していたのに。 

 おかしいな。

 娘と息子にはレシピ本通りに「今日は豚の生姜焼きだけど、本当は生姜炒めだからね」と、一応そう教えた。

 なんだかんだあるけど、私が作る、私の大好きな豚の生姜焼きを、家族が好きと言って食べてくれるだけで良しとしておこう。


 去年、たまたま見つけた手帳の紙質と、いつも使ってるフリクションの相性が超絶良くて、ものすごく書きやすい。

 私の下手な字が上手に見えてしまうという優れもの。

 紙質って大事。

 毎年11月頃に文具店に行って、手に馴染むものを選んで買ってるのだけど、やっぱり使ってみないと分からない部分がある。

 紙の色、行の幅、曜日と数字の見え方。店先で見たときは気づけなかった小さな配慮。その辺がトータルで今年の手帳は大当たりとなった。

 仕事のスケジュールは書くほどでもなくて、大人になった子供たちの日程は、私が把握する必要はなくなった。

 実はスケジュール帳は必要ないのかもしれない。

 それでも、手帳自体が好きなので、日記を書くことに使っている。

 書きやすくて夢中になりすぎて、寝る間際だというのにお腹が空いてしまった。

 歯ブラシをもう一度するのも面倒なんだけど空腹には勝てず。

 冷めた具沢山お味噌汁の中にご飯を投入。

 胃が満たされるのと引き換えに、罪悪感がやばい。



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