ロックフォード一家の漫遊記

松狼

第1話 プロローグ クリント村にて

ここは剣と魔法が存在する世界『クレスタ』。

「クレスタ」では魔族と人族との争いが絶えず起こっている。

1000年後、人族から賢者ダリル=ロックマンと言う人物が現れ魔族の王であるガルバディを倒した。魔王がいなくなった魔族達は北へ逃げて行き、最後には、山に囲まれた盆地にたどり着いて賢者ダリル=ロックマンにより封印結界を張って、魔族達を封じる事が出来た。後にその盆地を「魔界」と言われるようになった。

封印後、500年経過して封印結界の効果が薄れていくのを確認した少数の魔族達が盆地「魔界」から飛び出して行った。

「魔界」から少数の魔族が飛び出してから600年経過した現在に至る。


「クレスタ」には東西南北に4つの大陸があり、北は「魔界」で南はローレライ王国、西にクリスタル公国、東はロレビア教国に分かれている。


この物語はある町から始まる・・・。


クリスタル王国の王都から約500キロ離れた小さな農村クリント村にて、村の集会場で村人全員がある問題について議論していた。


「モールよ。今ゴブリンどもは何処にいるのかわかるか?」

村長はモールと言う青年に聞いた。


「今は北の山麓の洞窟にいるべ。」


「一昨日のゴブリンの襲撃で村の農作物の大半が奴らに持って行かれたからな。そして、あ奴らは食料の無くなるとまた此処に襲って来ると思うぞ。そうなれば此処は終わりじゃあ。」

村の老人がそう言った。


「だったら此処を捨てて他の村に引っ越すか?」


「此処から近い村だと歩いて約1週間かかるぞ?しかも北の山付近を通るのじゃから無理じゃな。」


「そうすると南にある領主様に直訴して騎士団に依頼してもらうか、冒険者を雇うしかないのう。」


「領主様に直訴しても、あのドケチ領主の事絶対に兵を出さないべ。それと、冒険者雇うにも村にはお金がねえ!ワシらがゴブリン達を倒さないといけん。」


「でもなあ。前の襲撃で戦える奴は全員が重症じゃあ。今残っている奴はほんの数人しかいないのだからな。」

と他の村人が悲壮な顔をして言った。


「さて。どうしたものか?」

村長は悩んでいると村を巡回していた男が叫びながら集会場に入って来た。


「村長! 男女と2人の子供が此処に泊めて欲しいと言って来ているべ。見るからに家族みたいだ。どうするべ?」


「その家族は今何処にいるのじゃあ?」


「村の入り口に待たしているべ。」


「ワシが聞いてみるかのう。」

と言って村長は村の入り口に向かって行った。


村の入り口には、中年男性と若い女性と子供2人が立っていた。中年男性が村長に訪ねた。


「貴方が此処の村長さんですか?」


「いかにも、ワシが村長だがお主らは村に泊まりたいと聞いたが?」


「ああ。道に迷ってな。」

中年男性はそう答えた。すると隣の女性が


「だって! 野宿するのが嫌だもん!」


「別に野宿でも良いだろうが!」


「イヤイヤイヤイヤイヤ! 絶対にイヤ!」


「草原の上に寝るのも良いぞ?」


「あんたは良いけど。私は絶対にイヤ!後、私疲れちゃったから此処に泊めてもらって来て。早く聞きなさい。この筋肉バカ!」


隣にいる子供達もそろって中年男性に声をかけてくる。


「パパ。 ご飯食べたい。お腹が減ったよお」


「パパ。僕もお腹が減ったのなのです」


「お前ら........。と言うわけで泊めていただく事に出来ますか? 特に彼女起こらすと怖いのでお願いします。」


「しかし、こちらも問題がありましてのう。皆困っているのじゃあ。」


「問題とは? 手助けになれば良いけど?

後、泊めるのが無理だと分かったら……。」


「分かったら?」


「横にいるこいつが村を焼き払いするかと。」


「「え!」」

と村人全員が驚く。


「取り敢えず村長さん。村長の問題を聞かせてくれませんか?」


「そうじゃなあ。此処では何だしワシの家で話をしようかのう。」

と村長は言って家族を村長の家に招待して問題を説明をした。


「成る程ねえ。つまり最近ゴブリンの群れが此処を襲って村の農作物を奪って行った事ですね。一昨日も襲われ戦える村人全員が重症で次に襲われると村が全滅するって事ですね?」


「そう言う事になるかのう。」


「ちょっと待ってくれないか? あいつと相談してくるので。」

と中年男性は女性の元に行き話し合う。

段々と男女は痴話喧嘩になり言い争いしていたが、約10分後、村長の所に来て


「村長さん。それなら交換条件で泊めてくれたなら俺達がそのゴブリン達を全滅させるよ。」

と中年男性は村長提案してきた。


「本当か?」


「ああ。本当だ。」


「それは有難いが。お主らは一体………何者じゃあ?」

と村長は訪ねた。


「実は俺達は冒険者なんだよ。此処から北の山にオークキングがいるって聞いてね。その討伐に向かう所で道に迷ってしまって。村長の話を聞いて多分俺の予想だけど、そのゴブリン達はオークキングの手下に違いないと思う。」


「なんじゃと。それが本当ならゴブリン達が村に来なくなるってか?」


「そうなるはずですよ。」


「なら泊めても良いぞ。」


「ありがとございます。村長さん。一応自己紹介を俺は冒険者で名はアレク。隣にいるうるさいのがマリー。この子達はフィルとメイだ」


「フィルだよ」


「メイなのです」


「何がうるさいって! この筋肉バカオッサン!」


「何だと! このペチャパイめ!」


「キーーーーーー! ペチャパイじゃないもん。美乳と美貌のマリー様よ。」


「お前さ。村長さんの娘さん方が、はるかに·お·お·き·い·ぞ?ってグはあ!」

と中年男性が言った瞬間に女性が腹に拳で連打する。しかも秒速で‥‥。


「ねえ。村長さん。何か言ってよ! この筋肉バカオッサンに!」


「「パパ、ママ。喧嘩したらダメ!」」


「イテテテ。お前!村長さんに振るな! ツッコミ出来ないから。」

アレクとマリーは夫婦漫才のようなやり取りをしている。それを呆然に見ている村長を始めとした村人全員がいたのだった。


その後今晩は村長提案により村長宅に泊まってアレク一家は村を出て北の山に向かうのだった。

北の山の案内人としてモールがついて行く事に。向かっている最中、


「マリー......お前さ、また俺を襲っただろ?」


「襲っていないって、殺そうとしたのよ。」


「それ犯罪だからな?」


「あんたは死んでもゾンビになるから良いじゃん。」


「俺をゾンビと一緒にするな! このペチャパイお馬鹿娘!」


「だから、美貌と美乳のマリー様って言っているでしょうが! この筋肉バカオッサン。」


「パパ。お腹減ったよ。 お肉ないの?」


「私もお腹減ったなのです」


と道中こんな感じで歩いている。

ふとモール気になる事を聞いた。


「あのう。お二人はどういう関係べ? そして、そこの子供達は?」


「「夫婦だよ!」」

と鱧って人二は言った。


「「パパとママの子供!」」

子供達も合唱して返事をする。


「夫婦ってまるで親娘見たいだべ。」


「こんな綺麗な淑女の私と筋肉バカのオッサンがお父さんってマジで死ぬわ。」


イヤイヤイヤ夫婦の方がしかも子供がいるなんて、もっとおかしいだろう!ってモールは心の中でツッコンだ。


そして目的地の北山の麓の洞窟に着いた。


「此処ですべ。」


「確認するとするか。フィル、『魔物探知』をメイは周辺の確認を頼む」


「パパ。洞窟の中には小さい小人が200と大きい巨人が20ぐらいいるよ?」


「パパ、周りには魔物がいないなのです」


「やっぱり.......。小さい小人はゴブリンだな? 大きい巨人はおそらくオーガだな? 結構いるんじゃないか?」


「そんなにいるべか?」


「まあ。この数なら問題ないな。マリー、いつもの方法でやるから準備しろよ。フィルとメイはここで待機だ」


「アイアイサー。『装備変更』」

とマリーが唱えて装備を変更する。

アレクも同じように『装備変更』と唱えて装備を変更する。


「いつの間に装備を変更した?」

とモールは驚く。


「これはねえ。『装備変更』スキルだよ。一瞬で装備変更出来るってわけね。」

とマリーは説明する。

アレクの装備は赤い鎧を纏って大剣を片手に持っている。マリーは白いローブを纏って杖を持っていた。


「マリーが洞窟に魔法を放って後、出てきたゴブリンを俺が倒すぞいいか?」


「ラジャー。行くよ『ファイヤーアロー』!」

とマリーがファイヤーアローを洞窟に放つ! その数100‥‥‥‥。

100のファイヤーアローは洞窟の中で爆発してビックリしたゴブリンとホブゴブリンが出てきた。それを見てアレクはゴブリンの群れに飛び込み、


「行くぞ!『大旋風切り』。」

と言って回転しながらゴブリンの首を切り落といていく。


「オラオラオラオラオラオラ!」


2分後、ゴブリン全員が首を切られて死んでいた。


「後、オーガ達が出てくるぞ。」

言った途端。


「ギャアアアアアアアア!」

と叫びながらオーガ達が出てきた。


オーガの一体がアレクに斧を下ろして来たが、それを大剣でアレクが受け止める。


「今だ! マリー!」


「了解。『アイスジャベリン20連発』。」

とアイスジャベリンが上から下に向けてオーガ達の身体に突き刺さる。

アレクはオーガ達の首を切り落とした。

「これで終了。」


「なんじゃあああ! 速攻で倒したああ!」

モールは驚く。

するとアレクが


「マリー。マジで俺を殺そうとしたな?」


「はあ。まだ生きているの?」


「死ぬわ。」


「死んだらゾンビになるから良いじゃん。」


「何だと! このペチャパイ。」


「何よ! この筋肉バカ!」


「後でお仕置きだからな!」


「い·や·よ!」

とまた夫婦漫才をしているアレクとマリーを見てモールはため息を突いていたのだった。


その夜、討伐完了の宴会をして村全員が寝ている途中、


「イヤん♥️。そこはダメええ❤️」


「此処が一番感じるだろ❤️」


「やめて❗ 入ってくるうう❤️」


「行くぞ!」


「あん❤️あん❤️あん❤️あん❤️」

とアレクとマリーの夜の営みが村全体に響き渡っていたのだった。


ー次の日。

「お二人さん。ありがとなのじゃあ。」


「いえいえ。こちらも助かりました。所で皆さん。寝ていない顔をしてどうかしました?」


「「「お前らのせいじゃあ!」」」


と村人全員が揃ってツッコンだ。

そりゃそうだ。このバカ夫婦の夜の営みのお陰で寝れないのだから。特にマリーの悲鳴が凄く、村の男性陣が興奮して同居している妻や恋人他の女性に襲って行ったのだった。


「しかいのう.....。お前達の子供は眠そうな顔をしているぞ? 小前達、パパとママの隣でよく寝ているのか?」


「パパ達がスキンシップしてもフィル達は良く寝るもんね? メイ。」


「うん。」


「では、失礼しますね。」

と一家は村を出て行ったのだった。


帰宅途中

「お前さ。昨日の声エロかったぞ。お陰で20回してしまったじゃないか。」


「あんたにあんだけ突かれたら、私の壊れたわよ。どうしてくれるのよ。痛くて歩けないじゃないの。」


「あの『爆裂の賢者』が俺の前には可愛い顔をしてくれるからな。」


「イヤん♥️」


「次は野宿で夜空でするか?」


「それはダメえ!」


「なら湖入ってするか?」


「いやよ。お風呂なら良いわよ。」


「帰ろうか。家に着いたら3日ヤりまくるから覚悟しろよ。おまえ。」


「良いわよ。あなた。」


「帰ったらお肉一杯食べる」


「ボクも一杯食べるなのです」


とイチャイチャしながら家に帰る4人だった。


二人が夫婦になってから500年経過したある日の出来事である。



久々の新作です。

「中年戦士とツンデレ賢者の凸凹漫遊記」を名前と内容を再編集をしました。

掲載は不定期で行いますのでよろしくお願いいたします。




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