第33話

部屋に入ると其処に眼鏡をかけた好青年が立っていた。

「やあ僕がこの王都ギルドのギルドマスターグランツです。よろしくお願いいたします」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

「で、相談事とは何でしょうか?」

「はい、実は・・」とグランツに街道のアンデットの件も交えて伝えるニーナ。

「それは実に興味深いですね~疑うわけではありませんがそのデュラハンを召喚して頂けませんか?」

「ロイドお願い!」

「オッケーサモンデュラハンのジェイガン!」

「お呼びでしょうか?我が主」と甲冑姿の首なし騎士が現れた。

「この声は・・確かにジェイガン様ですよね…ですがどうしてこんな姿に…」

「私の名前はジェイガンですがそれ以外は思い出せないのです、申し訳ない」

「いえ、ありがとうございました。もう大丈夫です」

「この方の素性を知っているのですか?」

「はい、ジェイガン様はこの国の魔道騎士団の団長をしていた方でした10日前までは・・」

「詳しくお願いします」

「実は今この国では女王陛下の穏健派と魔道兵器の開発を進め他国を侵略するべく動くバルトロ・ノオ宰相や副団長の一人グレッグ・ノオが主導権を握る強硬派が争っているのです」

「成程な!それで巻き込まれたのがジェイガン達と言う事か」

「はい、恐らくはこの国の女王陛下シェーラ様やその娘である王女エリスティーゼ様穏健派を黙らせる為にジェイガン様が邪魔と思いジェイガン様達を偽の任務で何処かに誘い出して亡き者にして操り自分達の駒にして街道で問題を起こさせて、これをグレッグ率いる強硬派の者達が解決すれば、これを口実に一気に軍事力強化を断行し、隣国に攻め込もうとでも考えていたのではないでしょうかね?場合に寄ってはクーデターも起こそうと考えているのではと僕は思います。それに穏健派のジェイガン様が居なくなれば騎士団団長の椅子が空席になりグレッグ自身が騎士団長の椅子に座る事も容易でしょうし」

「なら早めにジェイガンを連れて行って乗り込んだら良いんじゃないか?」

「そうですね!あなた方がジェイガン様を助けてアンデット問題が解決した今、街道の騒ぎも直ぐに収束するでしょうし、確かにそうすれば強硬派の者たちも慌てて動き出すかもしれませんね!」

「ただジェイガンだとどう証明するかだが・・」

「それについては、王女様にお願いすれば解決しますので大丈夫だと思います」

「まあ今日は今からでは直ぐに城に入るのは厳しと思いますので明日の朝僕と一緒に行きましょう!王宮への連絡しては任せてください」

「そういえば、何でそんなにジェイガンに肩入れするんだ?」

「はい、それはジェイガン様が僕の剣の師匠でもあるからです」

「成程な!分かったよじゃあ明日また来るわ」

「私たちはこれから宿を探しに行かないといけないからね」

「はい、では明日ギルドでお待ちしています」

そしてアレン達はギルドを出て行った。

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