面白い小説をどう書くか

 今回はタイトルの通り「いかにして面白い小説を書くか」にスポットを当てます。


 結論から書くと「頭の中で登場人物が歩きだしてから書くタイプの人」、「あるシーンを書きたいタイプの人」それぞれ逆のタイプの人の小説を読んで勉強しましょう。あくまでも持論ですが、面白い小説を書くにはどちらも必要です。


 しかし、短編が得意な人が長編を書きたいから長編を読み漁るのはダメです。逆もまた然りです。こればかりはどうにもなりません。地道に一歩ずつ前に進むしかありません。



 登場人物の魅力とストーリーの展開を両立させてこそ、出版社から評価されて声がかかります。片方だけではそこそこで終わってしまいます。カクヨムコンテストを勝ち抜こうとするのなら両方が必要です。「カクヨムで読者から評価されれば満足」という人は今の自分の作風を維持しましょう。



 ここまで「キャラとストーリーが両立できてこそ名作」と一般論でした。そこで逆の作品を読んで勉強しましょう、という提案でした。実はどちらかというと「キャラが動き出してからストーリーを書く」タイプの人がやや有利です。「このシーンを書きたい!」というタイプはどうしても登場人物が操り人形になりがちです。これはミステリーだと顕著です。特にトリックで読者をアッと言わせたい方は。


 では、「このシーンを書きたい!」というタイプはなんとか挽回できないのでしょうか。そんなことはなく、訓練でなんとかなります。

 登場人物に深みとリアリティを持たせる方法は二つあります。



 まず一つ目は「自分の性格を一部混ぜる」です。自分の性格・行動を混ぜるのであれば、日常的な自分の感情・振る舞いからキャラクターを書きやすいです。説得力が増します。私の場合は几帳面で分析が好きです。これらをキャラクターに混ぜることをしています。

 ただ、自分の性格なんていくつもあるわけではありません。ここで二つ目の方法の登場です。



 二つ目は「普段から人間観察を心がける」です。

 例えば会社や学校で「この人、いつも偉そうだな」という人がいれば、それを活かすのです。徹底的に観察しましょう。嫌味なキャラを作るのに役立ちます。


 そんな感じで人間観察をしていれば、この人の性格活かせそうだな、と考えるので、その人とのやりとりも苦ではなくなるかもしれません。私は少しはそうなりました。


 上記二点、特に人間観察を心がければキャラクターに深みが出るはずです。



 ここまでの方法を使えば「キャラクターが動き出してからシーンを考える」、「シーンからキャラクターの設定を考える」のどちらの方もレベルアップできるはずです。

 どちらにせよ、面白い小説を書くために近道はありません。書き手として「書く」ことも重要ですが、それと同じくらい「読む」ことも大事です。どちらかというと「読む」の方が重要です。膨大なインプットがあるからこそ、アウトプット、つまり書くことができると考えます。

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