　今回は「読み」の点からカクヨム、アルファポリス、小説家になろう、エブリスタを分析します。各サイトはジャンルごとに玉石混交なので、「ミステリー好きならこのサイト！」、「ファンタジー好きならここ！」といった具合に見ていきます。

　「読み」の点での基準としては、「基本ができているか(……や段落冒頭を一文字空けているかなど)」、「引き込みがうまいか」、「読み応えがあるか」の総合評価です。

　「書き」の上達を目指すなら、各サイトのランカー小説を「読む」ことも重要です。つまり、今回の分析は読み手のためでもあり、書き手のためでもあります。

　さっそく見ていきましょう(私はカクヨムがメインであり、書籍も読むので、評価が辛口ぎみなことを前提としてください)。なお、◎、○、△の三段階評価で、◎はオススメ、○は普通(ただし玉石混交)、△はイマイチです。

※各ジャンルは月間ランキングを基準としています。

　一番バッターは「カクヨム」。ジャンルごとの感覚は次の通りです。

恋愛◎ ファンタジー△ SF△ ミステリー、ホラーはKAC開催中のため、分析不能　歴史○

　次は「アルファポリス」です。

恋愛◎ ファンタジー○ SF○ ミステリー◎ ホラー◎ 歴史◎

　三番目は「小説家になろう」。

恋愛○ ファンタジー○ SF○ ミステリー○ ホラー○ 歴史○

　最後は「エブリスタ」です。

恋愛△ ファンタジー○ SF◎ ミステリー○ ホラー○ 歴史○

　四つのサイトを「読み」の視点からジャンル別に見たのですが、共通点は「マイナージャンルほどレベルが高い」です。これはマイナージャンルほど読み手の目が肥えており、正確な評価がされているからかと思います。

　△がついたのはエブリスタの恋愛、カクヨムのファンタジー、SFです。

　これら三つの共通点は「激戦区ほど小説の基本(……など)」ができていなくても読者からは受けるところでしょうか。興味深いです。

　カクヨムのファンタジーは異世界転生ものが多く、設定がテンプレであっても読者層からは支持されやすいと思われます。

　では、なぜSFが△なのか。マイナージャンルに見えて、「VRもの」が多いからです。これは異世界転生ものと同じくテンプレが多いからです。異世界ファンタジー、VRともに自分で世界観を自由に設定できるからでしょうか。

　また、「引き込み」の点で見ると△がついたジャンルは冒頭に主人公が自分の立場(何歳で、職業は何で……)を自分語りしているのが原因です。持論としては「キャラ設定や世界観を読者へ伝える方法としては描写で表現するものだ」と考えているからです。

　各サイトを比較してみると、アルファポリスが全体的に高水準と言えるでしょう。カクヨムはミステリー、ホラーが分析不能ですが、普段読んでいる感覚からするとどちらも○だと思います。

　次回は各サイトの制度(インセンティブがあるか、読者からの評価方法など)を見ていきたいと思います。

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