神らしからぬ、神

1話完結

今日は土曜日。近所の歯医者に行く日だった。10時の予約、五分前に家を出た。軽症だったので、すぐに治療は完了。やれやれと思い帰宅したところ、女房、子供がやたら年を取っているではないか！

「あんた、今まで何処に行っていたの！？」「何処って、歯医者だよ」

「なぁに言ってんの！10年も家を空けておいて…」

はぁ？どういうことだ…思わず腕時計で確認。するとなんと、10年時が進んでいる！それを自覚したとたん、急激に私の意識は遠退いた……

ふと目覚めると其処は、天国だった。思わず私は叫ぶ「何故こんなことに！」

すると、神が近付いて来て私に云うのだ。

「あなたは、10年食べてなかったから飢え死にだったんだよ」そんなこと言われても納得出来ない。

「だって私は近所の歯医者に行ってただけで、正味30分ほどのことですよ、それが10年なんて…」

「そう考えるのも仕方がないか、まぁまぁ、酒でも飲んで落ち着こうよ」完