第零話:超雄嫌いは捻くれ者か?
俺は
子供の頃、テレビで見た
俺は
周囲の人々が良くも悪くも
そんなある日、道端の段ボール箱に入って捨てられていた子犬を拾う。その子犬にマオと名付け、両親を説得し、家に入らせた。
そんなマオだけはそんな自分を邪険にせず、純粋で優しい表情を見せてくれた。彼とのかけがえない時間が俺の心の拠り所となった。
はずなのに、突然の火災で取り残され、焼死した。当時、この事件で対応した超雄ヒーローはただ一人、『バーニング・ファイター』だ。彼は超雄救助隊のリーダーである火を操る
彼は他にいる隊員を差し置いて、自分だけが先行し、マオ以外の俺たち家族を救った。俺はそのことに対し、疑問に思った。
「なんで、俺の大切な家族を助けなかった!?
その言葉を皮切りにあいつへの不信感が爆発し、責め立てる。そしたらあいつは嘘のように涙を流し、言い訳のように謝罪をした。
「すまない、君の大切なマオを救えなかった。あの時、炎が激しすぎて、近づくことすらままならなかった。しかし、全ては私の責任だ。君への罪を背負い、同じ過ちを繰り返さない。」
何言ってるんだよ?お前は確か、テレビで”肌には防火耐性を持っていて、百兆度の火炎にも耐えれる”って言ってたじゃねぇか。それより、なんで、家族しか言わなかったのに何で、マオのこと知ってんだよ。そう言おうとした瞬間、俺は恐ろしい形相を顔に浮かべた父親に殴られた。
「お前は何故、こんな大変な時にバーニング・ファイター様を侮辱するんだ!」
叩きつけられた地べたから起き上がり、初めに見たのは父親だけでなく、母親や取り巻きが見せる俺への失望感、拒絶意識、汚物を見るような蔑む視線だった。
「いつまで、
「バーニング・ファイター様への暴言を取り消せ! この
「お前などバーニング・ファイター様に救われるべきではなかったんだ!」
誰も俺の心の傷を擁護しない。誰も俺の心の声を聞こうとしない。俺は愚かな怪物という凡人の群衆への暴力に耐えるしかなかった。その時、バーニング・ファイターは俺を庇い、胸糞悪い甘い言葉で皆を制止した。
「皆んな、彼の言う通りだ! 彼の大切な家族を無くした事実は変わらない! それでも、この罪を背負い、今再び誓おう。もう誰一人犠牲にはしないと!」
「ああっ、何て慈悲ある言葉! それに引き換えこいつはなんて浅ましいんだ!」
俺は確信した。この世界に俺のような
その時、俺は余りにも酷く、醜い現実せかいと愚かな群衆くずどもにただただ流される現状に目を背く為に瞼を閉じた。
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