鳥取県 鳥取砂丘での怪異

七倉イルカ

第1話 プロローグ


 プロローグ


 夏休み。

 私は鳥取県にいた。

 おばあちゃんが鳥取県に住んでいて、毎年、夏休みの何日かは、こっちに泊まりに来るのである。

 泊まりに来ている間は、海水浴場で遊ぶことが多い。

 だけど、今年は、鳥取砂丘に行きたいと提案してみた。


 「鳥取砂丘って、砂漠みたいなところでしょ。

 砂なんか見て、おもしろいの?」

 お母さんが、不思議そうな顔になって言う。

 「夏休みの自由研究に、鳥取砂丘を調べようと思ってるの」

 「鳥取砂丘を自由研究で? ふ~~ん」

 お母さんは不満そうであった。

 「いいじゃないか。鳥取最大の観光地なんだよ。

 見に行けば、母さんだって、いい思い出になるさ」

 お父さんが、お母さんをなだめるように言う。

 「あら、別に反対はしてないわよ」

 お母さんは、仕方ないと言った顔で言う。

 そして、今年は、鳥取砂丘に行くことに決まったのだ。

 

 おばあちゃんの家は、倉吉市というところにあり、鳥取砂丘までは車で一時間ほどである。

 「気をつけて、いってくるんだよ」

 朝。おばあちゃんに見送られ、私たちは、お父さんの運転する車で出発した。

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