アンノーマル・バッファロー・カードバトラーズ!

ウボァー

【バッファロー】VS【バッファロー】!

 全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ――例えるならばその言葉こそ相応しい。


 圧倒的な暴が全てを破壊する。召喚されたバッファローを、罠を、手札を、デッキを。破壊を優先するためにライフを削る術はない、だからこその無敵。


 それが『香久詠かくよむ』の【自由型バッファロー】デッキと対峙する相手、『尾代おだいSサスガニ編太郎へんだろう』の使う【破壊型バッファロー】デッキ。


「ゆけい! 我がバッファロー軍団よ! やつの貧弱雑魚バッファローを破壊するのだああぁ!!」


 迫り来る無数のバッファロー。その角はこれまで葬ってきたバッファローの鮮血で彩られている。

 風に乗って舞う血飛沫――それはまるできらめきの流血列車ロング・ホーン・トレイン


「ぐううっ……! まだだ、まだ終わってはいない!」


 だが、全てを破壊しながら突き進むバッファローの突進に揉まれようと、一流バッファラーである香久詠かくよむを一撃で破壊することはできなかった。


「フン……雑魚のくせになかなかやりよる」


 全てを破壊するバッファローにより、香久詠かくよむのバッファローフィールドにいたバッファロー達は全て倒された。

 そんな危機的状況を乗り越えられるバッファローカードが1枚だけデッキに入っている。それを引き当てられるか――。それでこの勝負は決まる!


「力を貸してくれ、バッファロー……! 俺のターン!!」


 手の中にあるバッファローカードを確認し、笑う。


「驕り高ぶる強者の座、揺さぶるは変わりなき決意! 出でよ、猛牛眼の怒竜ブルズアイ・レイジング・ドラゴン!」


「待て! バッファローとブルは別種だろうが!!」


「それはどうかな? 全てを破壊するバッファローと闘牛士が相対している世界があるんだ――つまり、バッファローはブルでもある!」


「屁理屈を! その前にドラゴンと言っているではないか」


「バッファローとブルについてはいまだに誤解している人だっているから屁理屈じゃあない! あとバッファローとドラゴン拳法家は某プロレスモチーフ漫画でタッグを組んだことがあるからセーフだ! ――お前のバッファローには全てを破壊するバッファローという限界があったが、こっちのバッファローには先駆者がついている! その可能性は――無限大だ!!」


「ば、馬鹿なあああああ!!!!」


 圧倒的バッファローりょくにより、尾代おだいSサスガニ編太郎へんだろうは中を舞う。その姿はさながら怒り狂うバッファローにより跳ね飛ばされた哀れな小バッファロー。


「ああそんな……お、お許しを……ガッ!!」


「なんだ!?」


 地面に転がる哀れな敗者を上から追撃する何者かがそこにいた。


「オーララ! 流石だね……だが、ワタシの《殺戮オランウータンバッファロー》の前には無力だったようだ」


「《殺戮オランウータンバッファロー》……!」


 新たな敵、《殺戮オランウータンバッファロー》を前にした香久詠かくよむ。オランウータンでありバッファローでもある相手にどう戦うのか!?


 次回『殺戮の宴! トロピカル因習バッファロー!!』


 俺たちのバッファローはこれからだ!!

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